◇９◆ ページ21
・
寝不足だったんだろう。潤くんは中々目覚めなくて。
起きたのは辺りが真っ暗になってしばらくした頃。
俺もうとうとしてて「かず？」って声にハッとした。
和「潤君、熱は・・」
そっと頬を触るとまだ熱っぽいが大分下がってる。
和「よかった・・」
潤「あれ、俺・・んー・・？」
和「覚えてない？翔さんに、送ってもらったんだよ？」
潤「あ、そっか・・もしかして、聞いた？」
和「・・ん、全部きいた」
潤「そう、だよね・・」
互いに、沈黙。
潤君は瞳キョロキョロさせて言葉を探してる。
でも俺は――潤君が眠ってる間に、ずっと考えてた。
何を言うか、何を言うべきか――何が潤君の幸せか。
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――俺は、潤君の傍にいる資格なんてないって事。
・
和「潤君さ、俺、潤君の傍にいない方がいいと思うんだ」
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脳では「嫌だ」と叫ぶ。でも、言葉は止まらない。
潤君がいない人生何て、生きる意味ないけど・・。
潤君を不幸せにするくらいなら、離れた方がマシだ。
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潤「・・・ぇ？」
・
和「俺といても、潤君幸せになんて・・――」
なれない、そう続けようとしたのに。
・
潤「嫌だ――・・っ！！」
聞いたことないような大声の潤君。
パッと顔を見ると潤君の瞳から涙がボロボロ溢れてて。
潤「いやだいやだ、いやだっ・・んっ・・っ」
和「ちょ、潤君・・？」
潤「いやっ・・は、ぁ・・げほっ・・いや、ぁ・・！」
呼吸が苦しそうなものになり、咳込みながらも「嫌だ」と言う潤君。
潤「やっ、かずっ・・はっ・・ん、けほっ・・」
和「潤君、落ち着いて。潤君っ・・」
首を振りながら泣き続ける過呼吸寸前の潤君。
もう触れる資格もないと思ったが、思わずキツく抱きしめる。
和「熱上がるし苦しくなるよ、ね？」
潤「い、や・・かず、かずぅ・・っ」
和「潤君、一回落ち着こうね？」
何を言ってもパニックのように泣き続ける潤君。
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――でも、次の言葉でハッとした。
・
潤「かずが・・いない、の・・こわい・・っ！」
和「え・・？」
潤「こわ、い・・かず、こわ、いよ・・やだぁ・・っ！」
・
襲われても、怖いと言わず頑張ってた潤君が、
俺が離れると言った途端「怖い」と言えた。
・
もう、言うべき言葉はこれしかなくて。
・
和「潤君、ごめん。離れない。傍にいるから、ね？」
――そう言ったら、すーっと潤君の体から力が抜けて落ち着いてきた。
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しょうちゃん(プロフ) - 続きが読みたいです！ (2020年5月19日 23時) (
レス) id: d034f78533 (このIDを非表示/違反報告)
梶 - おもしろかったです！たまに涙が出てくるようなシーンがあって話に夢中でした｡ありがとうございます♪ (2018年5月3日 12時) (レス) id: 11356a9e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅうな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2017年8月18日 1時
