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★《どんな瞬間も》詩島 剛 ページ6

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Aと付き合って早くも数カ月。



Aの部屋に遊びに行ったり泊まりに行ったり、何度もした。





でも、1つだけ決して入れてくれない部屋がある。





ずっと気になっていた俺は、Aがお風呂に入っている隙に、こっそりとその部屋に忍び込んだ。






だが、中に一歩足を踏み入れてすぐに気付いた。







壁一面に貼られたのはすべて俺の写真。









「どういうことだ……?」






「どうって……見たまんまだよ。」







1人で呟いたはずの言葉に返事があり、剛は肩を揺らして驚いた。




振り向くとそこには、髪がまだ濡れたままのAが立っていた。






驚きのあまり言葉を失う剛にAは近寄り、囁いた。






「私はね、こうやって触れられる剛も好きだけど、触れられない剛も好きなの。」






Aは剛の頬を優しく撫でながら、妖しく笑って言う。







「写真って“瞬間”を切り取って閉じ込めているように見えるでしょ?
だから私は、いろんな瞬間の剛を閉じ込めたいの」





「……でももう付き合ってるだろ?」





剛のその言葉に、Aは不思議そうな顔をして首を傾げた。






「そうだよ。だけどどんな瞬間の剛も私のモノにしたい。
――…剛を全部独り占めしたいの。」







「……Aはそれで満足か?
これからも俺の写真を撮り続けるだけで。」





剛は壁に貼られた写真を眺めながら、Aに耳元で訊ねた。







「……足りない。」







「じゃあどうすれば満足なの?教えてよ」






Aは懇願するように、剛にすり寄って囁いた。





「――もっと、愛して。
剛で満たして。」








剛はその言葉を聞き終わると同時に、Aを抱きしめその濡れた首筋に顔を埋めた。








(――写真なんか撮る暇無いくらい、愛してあげるよ……――)





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くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - anna@さん» anna@さんコメントありがとうございます!もしかして第4章のお話ですか!?前の作品も読んでくださりありがとうございます!私もカーレンジャー好きなので楽しんでもらえて嬉しいです(^^)また短編集を書きますので、その時にリクエストお待ちしています♪ (2019年2月17日 23時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)
anna@(プロフ) - はじめまして!上杉実の話を読んだのですがとても面白かったです!よければまたカーレンジャーのお話が読みたいです!お忙しいとは思いますが更新頑張ってください! (2019年2月17日 20時) (レス) id: 93dcbd0b96 (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - 匿名さん» 初めまして!いつもならリクエストは常時受け付けているのですが、残念ながら現在受け付けておりません。もしご要望が多ければ、リクエスト受け付け用のページを作ろうかな……とも思っています。よろしければご意見ください。 (2018年7月24日 15時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 突然すみません、リクエストは受け付けていますか? (2018年7月23日 20時) (レス) id: 6218b45d75 (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - aira0426さん» 初めまして!コメントありがとうございます(*^^*)楽しんでいただけて良かったですっ!応援してもらえてとても嬉しいです♪ぜひ次の作品にも遊びに来てくださいね(^-^)/お待ちしております☆ (2018年7月23日 17時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くっきーー(゚レ゜) | 作成日時:2018年3月14日 23時

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