・朝加 圭一郎 ページ3
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少しずつ暖かくなってきた3月の朝。
Aが所属する捜査二課の部屋の前でウロウロしている人物が一人。
(その後ろ姿だけで分かっちゃう私は、かなり重い片想いだと思う。)
「おはようございます、朝加先輩。」
「あ、あぁ。おは、よう。」
ただの挨拶なのに、どこかぎこちない朝加にAは首を傾げて言った。
「どうしたんですか?こんな所で。」
「……これを渡しにきた。」
そう言って差し出されたのは、手のひらサイズの小箱。
「これは……?」
「バレンタインのお返しだ。」
「え!本当ですか!
嬉しい〜っ♪」
形式的なお返しだとしても、好きな人ならもらえるなんてこれほど嬉しいことはない。
デレデレしそうになる顔を必死に抑えながら、お礼を言ったA。
「つかさにお返しにふさわしいものを聞いたんだ。」
「あ、そうなんですね〜!」
あの可愛いモノ好きなつかさ先輩のことだ。
センスが良いに決まってる。
「……という訳で、俺の手作りチョコだ」
「……えっっ!?」
Aは耳を疑った。
『という訳で』なんて言ってるけど、全然話繋がってないよねっ?
いやいや、それより何より!
“手作りチョコ”ですって!?
手の上の小箱を、穴が開くほど凝視するA。
(……この中に、先輩のお手製チョコが……?)
「だが味の保証はできないから、食べるのは自己責任で頼むぞ」
「もちろんです。
今食べてもいいですか?」
「あぁ、俺は構わん。」
「いただきます……。」
アルミのカップに流し込まれた生チョコを、パクリと頬張るA。
「ん〜っ、おいひいでふ!」
味は至って普通だが、“好きな人の手作り”というフィルターのせいで美味しさ100倍になっているA。
「ははっ、そうか。
なら良かった」
そこで安心したように目の前で笑う圭一郎に、Aの心臓は一気にバクバクと高鳴る。
(やば、鼻血出そう。)
そんなAにトドメを刺すかのように、圭一郎はさらに言った。
「――それと、この前の返事だが……
今度俺から言う。少し待ってろ。」
「……へ…?」
「だから……今はギャングラーに手一杯だが、そのうちお前に告白する。
だから少し待っていてくれ。」
「……は、はいっ!」
Aはエンストした頭で、こう答えるのが精一杯だった。
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くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - anna@さん» anna@さんコメントありがとうございます!もしかして第4章のお話ですか!?前の作品も読んでくださりありがとうございます!私もカーレンジャー好きなので楽しんでもらえて嬉しいです(^^)また短編集を書きますので、その時にリクエストお待ちしています♪ (2019年2月17日 23時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)
anna@(プロフ) - はじめまして!上杉実の話を読んだのですがとても面白かったです!よければまたカーレンジャーのお話が読みたいです!お忙しいとは思いますが更新頑張ってください! (2019年2月17日 20時) (レス) id: 93dcbd0b96 (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - 匿名さん» 初めまして!いつもならリクエストは常時受け付けているのですが、残念ながら現在受け付けておりません。もしご要望が多ければ、リクエスト受け付け用のページを作ろうかな……とも思っています。よろしければご意見ください。 (2018年7月24日 15時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 突然すみません、リクエストは受け付けていますか? (2018年7月23日 20時) (レス) id: 6218b45d75 (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - aira0426さん» 初めまして!コメントありがとうございます(*^^*)楽しんでいただけて良かったですっ!応援してもらえてとても嬉しいです♪ぜひ次の作品にも遊びに来てくださいね(^-^)/お待ちしております☆ (2018年7月23日 17時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くっきーー(゚レ゜) | 作成日時:2018年3月14日 23時