●《夏の魔法》花家 大我 ページ6
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今日は年に一回、町を上げて行われる夏祭りだ。
「大我っ!」
「…よっ」
幼馴染であるAと大我。
毎年、二人はこの祭りに参加者ではなく運営側として携わっている。
「ごめんね、遅くなっちゃって…」
玄関からパタパタと駆け寄ってくるA。
白地に色とりどりな花柄の浴衣を纏う彼女の先には、深緑色を基調とした幾何学模様の浴衣姿の大我。
「全然待ってねぇよ。…ほら行くぞ」
「あ、うんっ」
「今年は何の店やんの?」
「私は綿菓子!
大我は焼きそばだっけ?」
「それと かき氷の掛け持ちな。」
「へぇー、すごいねっ」
「駆り出されてるんだよ、親父に。」
「あははっ、確かにそのイメージある(笑)」
「休憩時間、何したい?」
「えー、なんだろ。
じゃあ大我の焼きそば食べに行くよ」
「俺作ってねぇし。てかそれじゃ俺の休憩が無いだろ」
「あ、ほんとだ(笑)
うーん、じゃあ何でもいいやっ」
「適当かよ」
「ごめんごめん(笑)
だって本当に何にも思い付かないんだもん」
「まぁいいけどよ。じゃあまたな?」
「うん!また あとでねっ!」
そう言って二人は、それぞれの持ち場である屋台に歩いていった。
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お祭りが始まってからおよそ2時間弱。
日が暮れてくるのに合わせて、人だかりもだんだんと大きくなってきた。
「(うわ、めんどくさ…)」
そんな中、Aは同年代くらいの男子の集団に絡まれていた。
綿菓子を買いにきた1人の男子が、Aのことを可愛いとグループに言い広めたらしいのだ。
「ねぇ、君さ、ちょっと俺たちと遊ばない?」
「あ、いや、お店あるんで…」
「いいじゃん、ちょっとくらい!
向こうのお姉さんと代わってもらいなよ」
「…じゃあ向こうのお姉さんと遊びに行って下さいよ」
「なーんでよぉー
君の方が可愛いし、俺たちは仲良くなりたいんだよね」
「(この人たち酔ってんのかな?)
あはは〜」
「君、今高校生?
俺たち去年卒業したんだけどさ〜――。」
「綿菓子できました、どうぞ」
「おっ、ありがとー♪」ギュッ
「ちょっ!?」ゾワッ
どさくさに紛れて、Aの腕を握ったその男子。
慌てて腕を引っ込めたAだが、全身に鳥肌が立った。
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くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - サクラさん» 読了ありがとうございます(*^^*)自分でもいいストーリーが書けたと思っていたのでキュンキュンしてもらえて嬉しいです♪(笑)また第3章でもお待ちしてます☆ (2017年9月21日 15時) (レス) id: 81b45456c3 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - ツルギのお話読みました!本当もう期待以上にキュンキュンしました!!ありがとうございます (2017年9月20日 15時) (レス) id: fead634d8e (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - 封雲夜音さん» そうですか。ありがとうございます♪ では、第3章にて^^ (2017年9月20日 13時) (レス) id: 81b45456c3 (このIDを非表示/違反報告)
封雲夜音 - いいえ、ただ確認したかっただけです。大我の話、待ってますね。応援してます。 (2017年9月20日 12時) (レス) id: bcd44cf1b6 (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - 封雲夜音さん» そうですね。遅くなっているのは申し訳ないのですが、今いただいているリクエストは移行後に書くとお知らせでもお伝えしました。何か不都合がありましたか? (2017年9月19日 21時) (レス) id: 81b45456c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くっきーー(゚レ゜) | 作成日時:2017年8月24日 17時