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★《絡まる糸のように》ナーガ・レイ ページ34

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ナーガ君に連れ去られてから、気付けば数日が経った。




慣れというのは怖いもので、たった数日でこの殺風景な部屋にもすっかり慣れてしまった。




今の私に “自由” は無い。


手足には枷が付けられ、まるで奴 隷も同然。



ナーガ君はアジトに帰ってくるといつも『ただいま。ちゃんといい子にしてた?』と聞いてくる。




だが、あれ以来私に危害を加えてくることはなく、至って普通に接してくれる。





ナーガ君が何を考えているかは分からないが、私は好きなのだ。



たとえ闇に堕ちてしまっていても。



傍にいてくれるだけでいいの。






そんなことを考えていると、アジトの入り口の方から足音が聞こえてきた。



バァンと乱暴に開けられたドアの方を見ると、傷だらけのナーガ君が倒れこんできた。





「ナーガ君!

そ、その怪我は!?」





「……バランスだ」


「え、バランスさんが……?」


私はすぐには信じられなかった。
バランスさんは何があってもナーガ君を傷つけないと思っていたけど…。



「バランスは俺を裏切った。

……Aは?

俺を裏切ったりしないよな?」



傷口を抑えながら苦しそうな表情でナーガはAを見上げる。


荒々しい口調と反対にその目には、“ 今の ”ナーガには珍しく不安の色が滲んでいた。


Aはそっとナーガの目の前に膝を付くと、優しくナーガの頬に触れた。



「大丈夫だよ、私はどんなナーガ君も好きだから。」



そう言ってAはじゃらりと鎖が擦れる音と共にナーガに口づけをする。



「……俺もだ」



唇が離れると同時に、ナーガは小さく呟いた。


Aはそう弱々しく佇むナーガを抱きしめようと、手を広げた。


……が、枷のせいで肩幅以上は広げられないと気付いた。


ナーガはそんなAの様子を見て、少しだけ口角を上げながら全身を包むように抱きしめた。




いつの間にかナーガは苦しそうな表情では無く、穏やかな表情になっている。



ナーガはAの髪を指に通しながら、首筋に顔を埋める。


チュッと強めに落とされたキスは、Aの鎖骨辺りに小さな痕を残した。




「Aは俺のモノだ。」





そう言ってナーガは嬉しそうに、不敵に微笑んだ。





“ このまま ”でいい訳じゃない。



だけど、 “今の” ナーガ君にも、きっと支える人が必要だから。

傍にいる以上ナーガ君の味方でいたい。


そして元に戻ってくれたなら、そんなナーガ君も好きだと伝えよう。

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くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - サクラさん» 読了ありがとうございます(*^^*)自分でもいいストーリーが書けたと思っていたのでキュンキュンしてもらえて嬉しいです♪(笑)また第3章でもお待ちしてます☆ (2017年9月21日 15時) (レス) id: 81b45456c3 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - ツルギのお話読みました!本当もう期待以上にキュンキュンしました!!ありがとうございます (2017年9月20日 15時) (レス) id: fead634d8e (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - 封雲夜音さん» そうですか。ありがとうございます♪ では、第3章にて^^ (2017年9月20日 13時) (レス) id: 81b45456c3 (このIDを非表示/違反報告)
封雲夜音 - いいえ、ただ確認したかっただけです。大我の話、待ってますね。応援してます。 (2017年9月20日 12時) (レス) id: bcd44cf1b6 (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(゚レ゜)(プロフ) - 封雲夜音さん» そうですね。遅くなっているのは申し訳ないのですが、今いただいているリクエストは移行後に書くとお知らせでもお伝えしました。何か不都合がありましたか? (2017年9月19日 21時) (レス) id: 81b45456c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くっきーー(゚レ゜) | 作成日時:2017年8月24日 17時

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