両親 ページ5
『焦凍は、父親が嫌いか？』
「は？」
突然Aが聞いてきた。
からかっているのかと、顔を見つめたが、Aは人をからかうようなやつじゃないし、ただ聞いてみた…というだけなんだろう。
『焦凍は悔しそうな顔をしたあと、いつもクソ親父って呟いてる。』
あぁ、無意識のうちに言っていたのかもしれないな。
「嫌いだ。あんなやつ、大嫌いだ。」
『母親は？』
「……好き、だった。今はよく、わからない。」
俺がそう言うと、Aは俺の左の頬に手を添えた。
『痛かったか？』
「……あぁ」
『苦しかったか？』
「…っ……あぁ。」
Aが優しく頬を撫でる。
暖かくて、心地よくて、すごく安心した。
『大丈夫だ。』
「………っ」
たった一言。
その言葉が俺の心に染み渡り、目からたくさんの涙が溢れた。
俺は、安心する場所が
縋りつけるものが
欲しかったんだ。
「Aの親は、どんな人なんだ？」
『……わからない。覚えてない。』
「え？」
涙が落ち着いたころ、今度は俺から聞いてみた。
『二人とも、急に姿を見せなくなった。それから、ずっと俺は1人だ。神社の爺さんがたまに世話をしてくれるくらいだ。』
「そう、か……」
『あぁ、でも今はひとりじゃないな。
焦凍がいる。』
そう言いながら、少し切なげに、Aは笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青のり(プロフ) - skyさん» いつもありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2018年12月21日 20時) (
レス) id: 687cc75f87 (このIDを非表示/違反報告)
sky(プロフ) - 面白かったです！自分でどうなったか想像するのも楽しかったです！最高でした！占ツクさんが通知仕事しないから終わってたの気づかなかった…(´；ω；｀)新作の方も見てきました！応援してます！ (2018年12月21日 6時) (レス) id: 86080775d7 (このIDを非表示/違反報告)
青のり(プロフ) - skyさん» 本当ですか！？ありがとうございます！これからも頑張って行きたいと思います！ (2018年12月14日 20時) (レス) id: 687cc75f87 (このIDを非表示/違反報告)
sky(プロフ) - 神作の予感しかしませぬ。更新頑張ってください！応援してます！！もうずっと青のりさんのファンですぅ… (2018年12月14日 17時) (レス) id: 86080775d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青のり | 作成日時：2018年12月12日 20時
