最後まで ページ27
勝己が帰ってきて数日。
家に、勝己の学校の先生だという人が2人やってきた。
お母さんが勝己の頭を押さえ、3人で先生にお辞儀をしていた。
何があったのかな？
お母さん達と先生が話す中、勝己はソファから立ち上がり、僕の前に座った。
ソファから少し離れている僕の場所、ガリガリの先生はこちらをちらりと見ていた。
「A、俺はもうすぐお前といられなくなる。この家を出て、学校の寮で暮らすんだ。」
一緒に、いられない？
僕はその言葉に顔を上げた。
そんなの、嫌だよ…
ねぇ勝己、嫌だよ…
僕は勝己の顔をのぞき込む。
「っ……」
僕はいま、かなり勝己を困らせているんだろう。
でも嫌だ。
またこの家から勝己がいなくなるのは嫌だ。
勝己がいないと悲しいんだ、寂しいんだよ。
最後まで、一緒にいてよ…
『クゥーン……』
勝己は僕を1度撫でて、ソファの方に戻った。
「先生、Aも連れて行けねぇか？」
「A？」
勝己は僕の方を1度見た。
「俺の大事な兄貴なんだよ…もうだいぶ歳だ。
最後まで一緒にいてやりたいんだよ。俺が攫われてる時も、ずっと待っててくれたんだ、そんなやつを置いて行けない……
連れてくのが無理なら、俺はここにいる。
Aの最後を見届けるまで、寮には入らねぇ！」
「勝己……」
僕はゆっくりと体を起こして、ソファに向かう。
勝己の横に立って、先生たちを見つめると、ガリガリの先生が微笑んだ。
「いいんじゃないかな？相澤くん。」
「は？」
「私たちで許可を出すことは出来ないけど、校長に相談は出来る。」
髪を結んだ先生は頭をガシガシとかき、僕を見つめた。
「分かりました、聞いてみます。」
勝己が黙って頭を下げるのと同時に、お母さん達もありがとうございますと言った。
玄関まで先生たちを見送ると、2人は僕を撫でて帰って行った。
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あいにゃ(プロフ) - 電車の中で大号泣してやばいです……素晴らしい作品をありがとうございます😭😭😭 (2022年12月30日 18時) (
レス) @page37 id: 81a8b41ab6 (このIDを非表示/違反報告)
パラるらパラるらﾌﾟﾋﾟｰ(プロフ) - これだから犬派はやめらんねぇえええええええ！！！！！涙でてくるぅうううう、！！！！！😭 (2022年7月4日 14時) (レス) @page37 id: ef041b84a4 (このIDを非表示/違反報告)
あほ - 泣きました。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2022年1月24日 15時) (レス) @page37 id: 7787f6d795 (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - すごい作品を完結してくださりありがとうございます。最後は涙がとまりませんでした。 (2022年1月18日 20時) (レス) @page36 id: b5d4ecbe80 (このIDを非表示/違反報告)
I - 本当に素晴らしい作品でした。ありがとう (2021年2月2日 22時) (レス) id: 4cd974d6e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青のり | 作成日時：2018年10月17日 20時
