ヘアメイク S.Moriyama_02 ページ21
一旦、コンビニに入って冷たい飲み物が並ぶ冷蔵庫の前に立つ。
今の上りきった体温をなんとか沈めなきゃ...。
私は元々NSCに入る前に普通に就職してプロのヘアメイクをしていた。
自分には裏方で支える方があっていると思ったから。
でも演者さんのキラキラした世界を見ていると自分はここにいていいのか。
本当は出る側になりたいんじゃないのか、なんて考えるようになって
やってみたかったお笑いの道を目指すためにNSCに願書を出した。
ただ私の前職を知っているのは相方や同期ぐらいの近い人間だけ。
でも今でも昔の癖で人の髪型を見るともっとこうした方がいいのになーなんて考えてしまう時もある。
だけど、盛山くんに対してはそれだけじゃなくてもっと彼に近づきたいという欲の方が多いけど...。
「はぁー.....」
さっき盛山くんに言われた言葉を思い出す。
そんなこと言われたいい方向に考えてくれるんじゃないかって思ってしまう。
いや、きっと先輩に気を使ってくれただけだろう...。
でも...
「あーもう...」
「...ドンキに寄ってから劇場戻るか」
私は自分が今思いついた考えを胸にしまって飲み物をとってレジに行きそのまま早足でドンキに向かった。
---
--
-
「お疲れ様でしたー」
自分の出番終わり、まだ出番が後のはずの彼を探す。
「...！盛山くん！」
さっきの大楽屋のソファーでスマホを見てくつろいでいた彼に私が声をかけるとすぐに顔を上げてくれた。
『どうしました？』
「ちょっとだけ時間ある？」
『え、ああ...まだ大丈夫ですけど...』
「じゃあちょっと着いてきて！」
私は盛山くんの腕を掴んで使っていなさそうな楽屋を見つけて入る。
『あの...Aさん？』
さっきドンキで買ってきたものをテーブルに出して
鏡の前に椅子を用意している私に不思議そうに声をかける盛山くん。
「...とりあえずここに座ってもらってもいい？」
私は鏡の前に置かれた椅子に座るように促す。
状況は飲み込めない様子だけど言われたままに座ってくれる盛山くん。
「...さっき言ってくれた言葉、真に受けたからヘアメイクさせてくれる？
私こう見えても前職プロのヘアメイクだったから、笑」
『えっ！そうやったんですか？！』
「うん！もちろんちゃんとカッコよくするから...いい？」
鏡越しに盛山くんに尋ねるとお願いします、と言って笑ってくれた。
ヘアメイク S.Moriyama_03→←ヘアメイク S.Moriyama_01
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 342人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひより(プロフ) - コメント失礼します！主様のお話が大好きでいつも楽しく何度も読み返しております。もしよろしければvol.5のパスワードを教えていただきたいです🙇♀️よろしくお願いします！ (1月6日 16時) (
レス) id: 2c20052123 (このIDを非表示/違反報告)
かき(プロフ) - コメント失礼します。リクエストでマユリカ阪本さんお願い致します！ (2023年3月21日 20時) (レス) id: bedcd72498 (このIDを非表示/違反報告)
まるまる(プロフ) - ロッテグラスさん» リクエストいただきありがとうございました...！個人的に話の続きを書いてみたくなったのでまたどこかのタイミングで書かせていただきます！ (2023年3月16日 23時) (レス) id: 22a67af544 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ。。 - もと、�爐砲鵑犬鶚瓩任后�💦 (2023年3月8日 22時) (レス) id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ。。 - まるまるさん» 最高でした✨あの、、立て続けに申し訳ないのですが、リクエストでなにわスワンキーズの前田さんでお話かけますか？お願いします🥺🙇♀️ (2023年3月8日 22時) (レス) id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まるまる | 作成日時：2022年9月4日 2時
