君に手が届くまで Lily_01 ページ12
『Aさん、お疲れ様です』
『今日のネタおもろかったっすね』
『飲みに行きましょーよー姉さーん』
最初は私に構いに来るのは気まぐれだと思っていた。
でも、飲みに行くと意外と笑うんだなーとかお笑いに対して真剣なところも知ってきて
気づいたら今日は会えるのか嬉しいな、なんて柄にもないこと思うようになっていた。
だけど、
「リリー...「リリーさん！今日飲みに連れてってくださいよ〜！」
『ん？ええよ、また後でな、笑』
『...Aさん俺に声かけてくれました？』
「ううん、なんでもないよ、笑」
私が想い始めた頃にはもう私の手の届かないところに行ってしまったような気がした__。
---
--
-
「A、今日の飲み会参加するよね？」
相方に言われて思い出した。
今日は確か一番下の後輩も含めて少し大きめの飲み会を劇場でやろうとなっていた。
「あー...私はいいや」
「そう？あいつもいるけど」
「あいつ？」
「うん、見取り図も来るって支配人が言ってた」
見取り図、という単語を言われてわかりやすく片付けをしていた手が止まる。
「....いいよ、別にもう飲みに行く仲じゃないし」
「リリーと？」
「うん」
私たちは彼らよりも先輩で最初は面白いコンビがいるなーぐらいの認識だった。
でもある時私が楽屋でネタを書いていたとき
楽しそうに話していた輪の中にいたリリーが私の目の前の椅子に座ってきた。
『Aさん、何してんですか』
「ん？...えっと...』
『俺、見取り図のリリーって言います』
「リリーくんか...今はね単独のためにネタ書いてるんだよ」
『Aさんが書いてるんすね』
「まあ大枠は私が作って細かくは相方と決めて行くけどね、笑」
『へーそうなんすねー...ってかAさんってそんな感じで笑うんすね』
「えっ？」
『いやかわいいなーって思って』
私がかわいい...？
そんなこと芸人になって言われることなんてなかったからびっくりしているとクスクス笑いだすリリーくん。
『何そんなびっくりしてるんすか、笑』
「いやリリーくんが変なこと言うから」
『ほんまのこと言っただけですよ』
そんな話をしてたら廊下からリリーくんを呼ぶ声が聞こえてきた。
「リリー！...って何してんねん」
『Aさんと話してた、モリシ邪魔せんとって』
「いやもう出番やから、Aさんもすいません」
「ううん、大丈夫」
そう言って話したのが彼らとの初めての会話だった。
君に手が届くまで Lily_02→←待ち合わせ T.Tada_04_★
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 342人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひより(プロフ) - コメント失礼します！主様のお話が大好きでいつも楽しく何度も読み返しております。もしよろしければvol.5のパスワードを教えていただきたいです🙇♀️よろしくお願いします！ (1月6日 16時) (
レス) id: 2c20052123 (このIDを非表示/違反報告)
かき(プロフ) - コメント失礼します。リクエストでマユリカ阪本さんお願い致します！ (2023年3月21日 20時) (レス) id: bedcd72498 (このIDを非表示/違反報告)
まるまる(プロフ) - ロッテグラスさん» リクエストいただきありがとうございました...！個人的に話の続きを書いてみたくなったのでまたどこかのタイミングで書かせていただきます！ (2023年3月16日 23時) (レス) id: 22a67af544 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ。。 - もと、�爐砲鵑犬鶚瓩任后�💦 (2023年3月8日 22時) (レス) id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ。。 - まるまるさん» 最高でした✨あの、、立て続けに申し訳ないのですが、リクエストでなにわスワンキーズの前田さんでお話かけますか？お願いします🥺🙇♀️ (2023年3月8日 22時) (レス) id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まるまる | 作成日時：2022年9月4日 2時
