Cigarette smoke (ページ6)

今日:3 hit、昨日:18 hit、合計:26,773 hit

02 ページ6

ガサガサと物音がして目が覚める。

「ん...真美ごめん寝ちゃってた」

『随分気持ちよさそうに寝てましたね、笑』

「えっ？はっ？なんで？」

そこにはいるはずのない晋太郎がニヤニヤしながら私の顔を見つめてくる。

「ってか真美は？！」

『俺と入れ違いで帰りましたよ』

『てか、だいぶ飲みましたね～あんなん送ってくるし。

　まあやから仕事終わらして速攻でお邪魔ししたんですけどね、笑』

「うん？あんなん送ってくるって何？私なんかやばいのでも送った？」

慌てている私を尻目に自分のスマホを見せてくれる晋太郎。

--------------------------------------------------------------------

「お～い！モリシ～！見てるか～！」

そこにはべろんべろんに酔っ払っている真美が映っている。

その後ろには机に突っ伏している私の姿もある。

「A～！なんでこんなにお酒飲んだのー！」

「....しんたろうに会えないから」

必死に笑いを堪えている真美の姿と変わらず顔が真っ赤で涙目のまま真美のスマホのカメラに答え続ける私。

映像の中の私は明らかに呂律が回っていない。

「直接言ったらいいんじゃない？」

「私だってしんたろうに甘えたいよー....しんたろう～～！会いたいよ～～！」

「...んふふ、だってよ～モリシ～！早く帰ってこないと私がAのこと取っちゃうからねー！」

----------------------------------------------------------------------

「......」

『Aさん、大丈夫ですか？』

「無理、誰か私を殺してください」

『ちょちょ、Aさんが死んだら俺が生きていけないので冗談でもやめてください』

真美の野郎～！あんな動画なんで撮って送るんだよ～！

私の中の黒歴史がまたできてしまった...なんて落ち込んでいると晋太郎が優しく抱きしめてくれる。

『寂しかったんですか？俺に会えなくて？』

「.......寂しかった」

『あかん、かわいいすぎて襲いそう』

「........いいよ」

私の言葉に驚いて離れる晋太郎。

そんな晋太郎に離れて欲しくなくて私は彼の首に腕を回す。

「晋太郎はやだ？」

『いや、その』

「...なーんてね、笑」

少し意地悪しすぎたかって思って離れようとするけどそのまま地面に押し倒される。

『...こんな気持ちにさせといてお預けは無理ですやん』

「えっ、ちょ」

それからゆっくり寝かしてもらうまでだいぶ時間がかかった__。