Cigarette smoke (ページ4)

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私はバレないように喫煙室の死角になるところに腰をおろして静かに出てくるのを待つ。

ガチャっと扉が開く音がして出てくる大男。

「わあっ！！！」

後ろから私が大きな声で驚かすとビクッと震えて思いっきり振り返る。

『...っびっくりした～まじで』

「へへ...お疲れ様」

『お疲れ様です、Aさん』

そういってニヤッと笑う晋太郎。

「さっき清水から私に会えなくて寂しがってたなんて聞いたから会いに来てあげましたよ」

『あいつ、ほんま...』

清水、もといリリーの方を見ながら悪態をつく。

遠くの方にいる清水はニヤニヤしながら奥に消えていった。

「早かったんだね、こっちにつくの」

『ああ...朝の取材がなくなったんすよ、』

「...ゆっくり顔が見れてよかったよ」

私は変わらず大阪に住んでいるから今までよりも会える頻度は明らかに減ったから正直寂しい時もあった。

今はビデオ通話もできる時代だけどやっぱり夜遅かったりであっちの忙しさを考えると

今日は連絡しないでおこうかななんて思うこともあったから直接会って話せるこの時間は貴重に感じる。

こっちに来る時もあっちは分刻みのスケジュールなんてざらにあったし。

『急にデレないでくださいよ、照れるんで』

そう言ってそっぽを向く長い髪見える耳が少し赤くなっていて可愛いなんて、思ってしまう。

「A～！そろそろ行かないとお昼食べる時間ないよ～！」

真美の声がしてハッと時計を確認するとだいぶ時間が経っていて

「やば！行って来るね！」

『あっ、ちょっと待って』

部屋から出ようとすると腕を掴まれて晋太郎の方によろける。

『今日、泊まりなんで家行ってもいいですか？』

「...もちろん」

『久々にゆっくり晩酌しましょう』

「じゃあ、なんかおつまみでも作ろうかな」

『いいっすね、久しぶりにAさんの手料理食べたい』

そう言ってニコニコ笑っているから仕事に戻るのが惜しく感じてしまう。

『すんません、時間とらせちゃって』

「全然！大丈夫だよー」

「...じゃあ、また後でね」

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「Aさん、ずっとモリシがニヤニヤしてるんですけどなんか言いました？」

「あー...うん、笑」

『おい、もう出番やで』

「はいはい、笑」

出囃子がなって袖から出て行く二人の背中はやっぱりいつみてもかっこいいな、なんて思ったのは内緒__。