Cigarette smoke (ページ3)

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「よーし、場当たりも終わったし軽く昼でも食べに行くかー」

「盛山くんはギリギリに来るの？」

最終チェックの場当たりも終わったので軽く昼ごはんを買いに真美と一緒に外に出た。

「うん、昨日も遅くまで収録って言ってたしね」

「すっかり売れっ子芸人さんになったね～」

「あんな汚くて黒かった頃を考えると今の状況が不思議でならないよね～」

「...本当に付き合ってます？」

私が知ってる晋太郎はよくYoutubeとかでも出てくる写真の印象が今でも強いから

今みたいに女の子たちにキャーキャー言われているのが不思議に思う時がある。

「まあ、盛山くんはAのこと本当に大好きだもんね」

「...んへへ」

「リア充め...」

だから最初は晋太郎から告白されたときはびっくりしたし私なんかでええんかなーなんて思ったし

何より劇場スタッフの私と付き合うなんて仕事上よくないじゃないかとか考えたこともあった。

「もう今日はAのおごりね」

「は？なんで？」

「非リア充がリア充の方にいじめられたんで、」

「ケンカふっかけられたのをかわしただけなんで正当防衛ですよ」

「...くっそ」

そんな会話をしていたら思いの外時間が経っていてしまったので私達は慌ててコンビニに入った。

「ん？」

「なんかあっちの大楽屋ガヤガヤしてるね？」

私達が劇場に戻ると芸人さんたちが多くいる大楽屋がすごく盛り上がっていた。

まあよく笑い声は聞こえてくるし、なんて思いながらその大楽屋を通り過ぎようとすると

「お、Aやん」

聞き覚えのある声がして振り返ると

「あれ？清水？」

「Aさんだけですよ、変わらず苗字で呼ぶの、笑」

「今日ギリギリに来るんじゃなかったん？」

「朝入ってた取材が急にバラしになったんで誰かさんのために早めに来たんすよ」

そんな会話をしていると奥にある喫煙室に大きな影が見えた。

「さっきここ来たときAおらんかったやないですか？めっちゃ寂しそうな顔してましたよ、笑」

「あらら、それはいかんね～」

...これはドッキリ仕掛けろってことよね？

時計をちらっと確認するとまだ次の集合時間までには余裕があったから

こっそり喫煙室の方に近づいていった。

(Aさん、めっちゃニヤニヤしてません？)

(Aめっちゃ楽しんでるな～)