Cigarette smoke (ページ2)

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劇場ページ2

「おはようございます～」

「Aさん、おはようございます！」

後輩のスタッフくんは元気だなーなんて思いながら挨拶を交わす。

私は色んな劇場のスタッフを経験して今は大阪の漫才劇場に落ち着いている。

今の劇場スタッフの同僚たちにも恵まれてるし芸人さんたちも私に気づくと喋りかけてくれるようになった。

辻「あ、Aさんや、おはようございます」

阪「ほんまや、おはようございますー」

「おはようございます～二人とも来るの早いな」

辻「ちょっとごくごくの打ち合わせがあって早めに来たんすよ」

「そうなんか、やったらあそこの奥の楽屋使ってええで。

　今日打ち合わせとか特に聞いてないから空きになってるはずやし」

阪「え、ほんますか！じゃあお言葉に甘えさせていただきます」

「うん、出番はとちらないようにね～、笑」

ひらひら～と手だけ振って私は舞台に向かった。

「あっ！A！来るの遅いよー！」

「ごめんごめん、阪本と辻に捕まってもうたんよ、笑」

スタッフの同期でもある真美にぐちぐち言われる。

今日は昼公演始まりだから準備が朝からになる。

芸人さんたちには漫才用のサンパチマイクの準備もいるけど

コントがあるときは事前に頼まれている小道具を用意したり

効果音の出しタイミングを場当たりしたり色々準備することがある。

なんなら今日はコントの割合が多いから準備が結構多いから真美も文句を言いたくなるのもわかる。

でもみんな芸人さんに少しでも快適にネタをしてもらいたいのも

その世界にお客さんがなんのストレスもなく入り込んでもらえるようにするのが

仕事だしやりがいでもある。

「...今日盛山さん来るね」

音響チェックをしていたら唐突に真美が近づいて来て小声でボソッと言われる。

「うん？そうやね」

「え？なんでそんなどっしりしてんの？」

「いやいや仕事場に来るからといってイチャイチャなんてするわけないしね～」

劇場番長を卒業したとはいえ今日も漫劇から森ノ宮を挟んで漫劇なんや～なんて言っていた。

本当に卒業して東京進出したんか？ってぐらいこっちに来るけれども。