好きだから近づきたい S.Moriyama_02_★ ページ41
「ふぅー」
それからも晋太郎さんと連絡はとりあうものの二人で会う時間を作ることはできなかった。
だから晋太郎さんがいないかなと思って時間ができたら喫煙室に行って
吸い始めたばかりの電子タバコを持って吸いながら待つようになった。
でもなかなかタイミングが合わずそこでも会うことはなかった。
「今日も来ないかなー...」
自分の吐いた煙を眺めていたら透明なガラス越しに男の人が近づいてくるのが見えた。
ガチャっと扉が開いて入ってきた人は下を向いていた顔を上げてしばらく固まっていた。
『A？』
いないはずの私の姿を見てメビウスの箱から出したタバコを持ったまま口もぽかんとあいている。
「晋太郎さん、お久しぶりですね」
『いや、Aいつからタバコなんて吸い始めたんや』
「...ちょっと前からです」
本当は晋太郎さんと少しでも話したいからなんて言えなかったけど
『Aはそんなんするもんやない』
間髪なくそう言われて私の手から電子タバコをとって自分のポケットにしまいこんでしまった。
「えっ...」
そして私の腕を掴んで喫煙室から出た。
「ちょっ晋太郎さん」
『俺は...そんなAは好きちゃう、やから』
好きちゃう、その言葉が私の頭の中で何度もこだまして私の気持ちを何も理解してくれないことに
少しずつ怒りと悲しみの感情が込み上げてきて止まらなくなってしまった。
「...話したかったから」
『えっ？』
「忙しい晋太郎さんと少しでも一緒にいたかったから...！だから始めたのに...！
私の気持ちも考えないでそんなこと言うならもういいです...！」
『ちょっ、A』
私はその場から走って自分の楽屋に駆け込んだ。
「っふ、っん...」
会えない寂しさとさっき言われた晋太郎さんの言葉がぐちゃぐちゃに入り混じって
私はとめどなく流れてくる涙が落ち着くまでそこから動けなかった。
好きだから近づきたい S.Moriyama_03_★→←好きだから近づきたい S.Moriyama_01_★
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まるまる(プロフ) - まゆゆんさん» お返事遅くなってしまってすいません！自分なりに日常系の甘々で多田さんのお話を作ってみました！よろしければVol.4の方で読んでみてください😊 (2022年10月24日 0時) (
レス) id: 22a67af544 (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - リクエストすみません💦トット多田さんで甘々なカップルの日常ってかけますか？お願いします🙏🥺 (2022年8月31日 11時) (レス) id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - 高比良さん書いてくれてありがとうございました！！なおき優しすぎ！めっちゃよかったです♡ (2022年8月25日 4時) (レス) id: 70c0272d2f (このIDを非表示/違反報告)
まるまる(プロフ) - しほさん» リクエストいただきありがとうございました！甘々具合が微妙になってしまったのですが読んでいただけると嬉しいです🙇♀ (2022年8月25日 1時) (レス) id: 22a67af544 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - リクエスト失礼します。ひたすら甘々で主人公のことが大好きすぎる令和ロマンくるまさんの話が読みたいです。よろしくお願いします！ (2022年8月21日 23時) (レス) id: 70c0272d2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まるまる | 作成日時：2022年7月14日 1時
