心のゲージ Lily_01 ページ34
「いってらっしゃい」
『うん』
ガチャっと扉が開いてパタンと閉まる。
それと同時にため息が出て壁に寄りかかる。
行ってきますのキスなんてもう数ヶ月もしてない。
体の愛情確認をしたのはいつだかも思い出せない。
女好きの彼だからきっと私以外にその相手がいるんだろう。
彼と付き合い始めの頃はなかなか一緒の時間を過ごせないからって彼から同棲しようと持ちかけられた。
でもどんどん彼の仕事は忙しくなって、朝働いて夜帰ってくる仕事の自分とは
比べ物にならないぐらい働いている姿を見たら何も言えなくて。
一緒に暮らしているはずなのに一人でいるみたいで辛かった。
だからこの前彼が珍しく早く帰ってきた時に
「あのさ、久しぶりに外にご飯食べに行かない？」
『あー...ごめんしばらくゆっくり休めそうにないねん』
「...そっか」
ごめんな、と言いながら頭をポンポンされて彼は寝室に向かっていった。
今までだったらそれで我慢できた。
でももう私の我慢のゲージは満タンになっていた。
本来ならもっと話し合ってお互いの気持ちを確認するのが正しいんだろうけど
今の私にはそんな気力もなくて
「もう...無理だよ...」
私は急いで浴室に向かってシャワーのお湯と一緒に涙を流した。
そして私はさっき見送った彼を思い出しながら家の鍵と
今までありがとう、と書いた手紙を置いて最低限の荷物をキャリーバッグに詰めて静かに家を出た__。
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今頃将企は劇場にでも出てるのかな...なんて考えながら
事前に取っておいた都内のビジネスホテルのベッドでゴロゴロしていた。
ふかふかのベッドに用意してある料理たち、どれもが非日常を感じれるスパイスになっていて
久しぶりに心が躍った。
でもこの料理を一緒に食べたらどんな反応するのかなとか一緒にベッドでうたた寝したいとか
未だに将企のことを考えてしまうのはまだ好きな気持ちが消えないからで。
もっと将企に愛されたいし言葉でお前が必要なんて言って欲しかった。
もっと構って欲しかった。
きっと私がいなくなっても彼は彼の日常を過ごすんだろう。
そんな風に考えれば考えるほど自分で自分が虚しくなって私は忘れるためにベッドに倒れこんだ。
心のゲージ Lily_02→←すれ違いの終着点 Y.Kawai_03
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まるまる(プロフ) - まゆゆんさん» お返事遅くなってしまってすいません！自分なりに日常系の甘々で多田さんのお話を作ってみました！よろしければVol.4の方で読んでみてください😊 (2022年10月24日 0時) (
レス) id: 22a67af544 (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - リクエストすみません💦トット多田さんで甘々なカップルの日常ってかけますか？お願いします🙏🥺 (2022年8月31日 11時) (レス) id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - 高比良さん書いてくれてありがとうございました！！なおき優しすぎ！めっちゃよかったです♡ (2022年8月25日 4時) (レス) id: 70c0272d2f (このIDを非表示/違反報告)
まるまる(プロフ) - しほさん» リクエストいただきありがとうございました！甘々具合が微妙になってしまったのですが読んでいただけると嬉しいです🙇♀ (2022年8月25日 1時) (レス) id: 22a67af544 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - リクエスト失礼します。ひたすら甘々で主人公のことが大好きすぎる令和ロマンくるまさんの話が読みたいです。よろしくお願いします！ (2022年8月21日 23時) (レス) id: 70c0272d2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるまる | 作成日時：2022年7月14日 1時
