Assortment of sweets (ページ46)

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遠距離と心の距離 Y.Kawai_03 ページ46

「あ、あの...」

『うん？...あっ』

自分たちの距離の近さに気づいたのかごめん、と言ってゆずるくんは離れた。

今しかない。稲田さんがくださったチャンスを無駄にしちゃいけない。

「あのね、ゆずるくん」

「この前は私がわがままなこと言っちゃってごめんなさい」

「ゆずるくんが東京に行ったら心まで離れて行っちゃう気がして...本当にごめんなさい」

そう頭を下げようとしたら温かいぬくもりに包まれていて

それがゆずるくんが抱きしめられているからだと後からわかった。

『俺こそごめん、Aの気持ちを考えてへんかった』

『でもな』

そう目線を合わせて

『俺はAが好きやから』

『東京に行こうがどこに行こうがその気持ちは変わらんし信じてほしい』

あぁ...自分はなんで東京に行ったらゆずるくんの気持ちが離れてしまうなんて思っただろう。

私が知ってるゆずるくんはそんな人じゃなかった。

「うん...！」

そう言って私からまたゆずるくんに抱きついた__。

(なあ、その泣いてる顔稲田に見せたん？)

(えっそうだけど...)

(そういう姿が見れるのは彼氏の特権やろ)

(今度からは何かあったら俺に連絡するんやで)

(はーい)

(ったく...)

(...えへへ)