Assortment of sweets (ページ45)

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遠距離と心の距離 Y.Kawai_02 ページ45

「えっ？」

稲田さんには私たちが付き合っていることは伝えていた。

だけど稲田さんはこの前あった私とゆずるくんの一件を知らないはず...。

そう考えているとと稲田さんが話を続ける。

「ここ最近のゆずるさんの様子がおかしくてなー」

「何かを紛らわすためにほぼ毎日飲み歩いてて睡眠不足なのかぼーっとしてることが多くなって

　最近ツッコミもキレがないし思い当たるとしたらAちゃんかなって思ったんやけど...」

ゆずるくん...。仕事が本当に大好きでお酒も好きだけどそこの分別はきっちりつける人に限ってまさかね。

私はこの前あったことを稲田さんに話した。

「そうか～。まあ確かに遠距離恋愛って会えることが少なくなるのがネックやけど俺らはなんやかんや仕事で

　大阪にも来るし。それに心配するほどゆずるさんは浮気者やないで」

そう真っ直ぐ私の目を見て伝えてくる稲田さん。

そうだよね...。

ゆずるくんは私が仕事でうまくいかなくて落ち込み気味だった時にただ寄り添って話を聞いてくれた。

どんな時でも私の味方でいてくれたのに、なんで私はそんなゆずるくんを傷つけてしまったんだろう。

そう考えたら自然と涙が出てきていた。

そんな私の背中を稲田さんはを静かに摩り続けてくれた__。

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少し落ち着いてきたので一度トイレに行こうと思い立ち上がった。

ちゃんと謝ろう。

きっと私とゆずるくんなら大丈夫。

そう自分を奮い立たせるためにほっぺたをパチパチ叩いて個室に戻ったら

「えっ」

そこには謝ろうと思っていたゆずるくんが先にいた。

『A...』

ゆずるくんも私がいるのが不思議なようで大きな瞳をパチパチさせている。

「どうしてここが...？」

『俺は稲田に久しぶりにサシで飲みたい言われたから来たんよ』

そう言って稲田さんからのメッセージを見せてくれるゆずるくん。

そこにブーブーとメッセージを知らせる音がしたので慌ててスマホを確認すると

稲田さん早くゆずるさんと仲直りしてや!食事代は俺持ちでええで☆

そんなメッセージが稲田さんから来ていた。

『なんやあいつ、そういうことか』

いつの間にか私のスマホを覗き見てガシガシ頭をかくゆずるくん。

にしても...。

スマホを覗き込んで来たからゆずるくんといつもより距離が近い。

久しぶりのゆずるくんの匂いと聞こえて来そうな吐息にドキドキしてしまった。