Assortment of sweets (ページ37)

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君が好き Lily_02 ページ37

なんでリリーくんとそういう関係になったか。

髪の毛を切ったら気づいて声をかけてくれたり洋服が似合ってたら褒めてくれたり
何か意味がある訳ではない言葉や行動に気づいたらときめいている自分がいた__。

でもリリーくんには彼女がいた。
でも大切な人を傷つけてまで奪いたい気持ちはなかった。

だから普段はこの気持ちに気づかれないように接していた。

ある日の出番終わりで飲みに行った時

『俺、彼女と別れたんすよ...』

「えっ...」

よくお酒を飲み行った時に話す話題はほぼほぼの仕事の話だったから
リリーくんが自分の恋愛のことを話してくるとは思わなかった。

『なんかもう彼女に気持ちがなくなってて』

『それ言ったらケンカになってそのまま別れました』

『...ってなんでこんなことAさんに話してんすかね、笑』

どこか元気がなさそうに笑うリリーくん。

なんて言ってあげるのが正解か。

私なんて彼女と別れたって聞いて少し嬉しいって思ってしまっている。

こんな自分に励ます権利はない。

「リリーくんがそれでいいならいいんじゃない？」

「きっとすぐまたリリーくんを愛してくれる人が現れるよ」

そんなありきたりな言葉しかかけてあげられなかった。

リリーくんはそうっすね、なんて言ってビールを飲んでいた。

いつもより早いペースで飲んでいたから少し心配にはなっていたけど__。

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「リリーくん、帰るよ」

『...んー』

案の定彼はベロベロに酔っ払ってしまい歩くのにもフラフラしている。

タクシーでなんとか自分の家の住所は伝えられたけどそこから家に着くまで車の中でぐっすり寝てしまった。

「リリーくん、起きて」

肩を揺らしてもんんっと言うだけで起きる気配はなくて
申し訳ないと思いながらリリーくんのカバンの中をゴソゴソ探していると家の鍵を見つけた。

タクシーを出て体を支えながらなんとかリリーくんを引っ張って家の中まで入りベッドに寝かせた。

ここからちょっと大通りに出ればまたタクシーが捕まえられるはずだ。

「じゃあリリーくん帰るね」

そう言って部屋から出ようとしたら強い力で腕を引っ張られる。

『行かないで...』

私を前の彼女だと思っているのか腕の中にそのまま引き寄せられてしまった。

「ちょっと、リリーくん！」

気づくとたくさんのキスの雨が降ってきて私は逃げることができなかった__。