Assortment of sweets (ページ31)

今日:24 hit、昨日:22 hit、合計:87,002 hit

うまくいきたい Lily_05 ページ31

「リリーどんな顔してんねん、笑」

声のした方を見るとニヤニヤ笑っている濱家さんが俺を見ていた。

『別に...なんもないっす』

「Aと賢ちゃんが気になるんか？」

図星なのが誤魔化すためにまたソファーに座り直す。

『...Aと川西さんが付き合おうが俺には関係ないんで』

「本当にそう思うんか」

『...はい』

「酔って好意を伝えてたくせに」

『はっ？』

「お前この前酔っ払ってAに告白しとったで」

「まああいつは寝てたから聞いてへんかったけど」

もしかして__。

「いや、聞かない方がいいと思います、笑」

そういうことやったんか。

くそ。

本当はちゃんと伝えたかったんやけど。

まさかそんな風に俺の気持ちが伝わってるとは。

そうしていると

二人の話し声がして昼から戻ってきたことがわかる。

俺は楽屋の扉の前で待つことにした。

なんて伝えようか。

本当は嫉妬していたとか俺とご飯行こうとかあれこれ考えていたら

「...リリーさん」

Aが俺の名前を呼んでいた。

『...えらい仲良しやったんやなー』

気づくと一番伝えたくなかったどす黒い気持ちをそのままにしたような言葉をぶつけてしまった。

-----------------------------------------------------------------------------------------------

Your_Side

「リリーさん...！」

「待ってください！」

川西さんは私の気持ちがわかったはずとは言っていたけど
もしこのまままた会えなくなったら__。

このまま
すれ違いたくない。
去っていくリリーさんを追いかけてとっさに服の裾を引っ張る。

『なんや』

止まって言葉は発してくれたけどこっちを向いてはくれない。

「...ごめんなさい、」

「...本当はリリーさんに構って欲しかったんです」

「私の元カレが女遊び酷くて私と付き合ってたのに浮気相手に子供できたらそっちに行っちゃって」

「だからリリーさんも私に気があるんじゃなくて、気まぐれで相手をしてくれてるんだって思ってました」

「でも濱家さんからあの日のことを聞いて信じてみようかなって思ったんです」

「だからリリーさんが女性の方と話しているのを見るとモヤモヤして勝手に嫉妬して」

「それで川西さんにも協力してもらってリリーさんを試すようなことをしてしまいました」

「...本当にごめんなさい」

そう言って頭を下げようとしたら急に温もりを感じて自分がリリーさんに抱きしめられてることに気づいた。