Assortment of sweets (ページ25)

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似た者同士 K.Ito_02 ページ25

『人を好きになるとドキドキします』

「うん」

『その人のことしか考えられません』

「うんうん」

『....僕の話聞いてます？』

「うんうんうん...うん？」

そう彼の方を見るとはぁーとため息をつかれた。

『Aさん、考える気ないですよね』

「ふふ、うん、笑」

あれから昼休みに屋上で人を好きになるとどうなるのか、どんな気持ちになるのか。
ひたすら少年、もとい伊藤くんから私への特別授業が始まった。

もーと言って頬を膨らます伊藤くん。

かわいい...。

ん？
かわいい...？

人に対して「かわいい」なんて今まで思ったことあっただろうか。
ドキドキは...していない。
つまりこれは恋じゃなくただの思い過ごしか。

「うーん」

考えていると伊藤くんが不思議そうにしゃがんで私の顔を覗き込む。

『どうしたんですか、Aさん？』

私は今自分の中に浮かんでいる疑問を伊藤くんにぶつけてみることにした。

「今、伊藤くんのことかわいいって思ったんだけどこれが人を好きになること？」

そう言うと伊藤くんの顔が真っ赤になっていた。

『そ、そんなの自分で考えてください』

「あっ、おい」

伊藤くんはまだ昼休みが終わる時間でもないのに走って屋上から出て行ってしまった。

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「あれは...伊藤くん？」

そこには同級生と思われる女の子たちに囲まれてる伊藤くんがいた。
なんだか不穏な空気を察知した私は階段の陰からこっそり様子をうかがうことにした。

「おい、伊藤」

『な、なんですか』

「お前ちっこくて弱そうだなー」

『.....』

「なんとか言えよ、チビおかっぱ！」

『...！(ビクッ』

あー伊藤くんも自分と同じなのか__。
罪のない人間が言葉の暴力を受けている。

きっと彼女たちはこうしていないと
この小さなクラスという社会で生きていけないのだろう。

「おいおいおいおい」

だからといって我々のような人間がただ黙っているだけだと思わないでほしい。

「寄ってたかって一人を囲うとは卑怯だなー」

私より小さい女の子たちは自分が突然出てきたことにびっくりしているのか少し後ずさりした。

「な、なによあんた」

「別にーただ通りがかりに言葉の暴力が飛び交っているのが見えただけだが」

「関係ない人は黙っててよ」

「...君達には口の利き方から教えなきゃいけないのかな？」

そう言って履いている上履きの色を指差す。