Assortment of sweets (ページ11)

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アップルパイ HigashiBukuro_01 ページ11

『また食うてんのか』

「だって好きなんだもん__」

ベランダでタバコをふかすそいつにいつもの答えを少しぶっきらぼう気味に伝える。

『ようあきひんな、笑』

「あんたと違って私は一途にアップルパイ愛し続けるんですよーだ」

『何いうてんねん』

「女の子を取っ替え引っ替えしてる人には言われたくありませんー」

ベーっと自分でも可愛くないなーと思うぐらいの顔で舌を思いっきり出して答える。

『へいへい、それ食い終わったらでええから早よこっちこい』

そう言って自分が座っているベットをぽんぽんとたたく。

それを合図に私は大きな口で一気にアップルパイを頬張り、そいつの横に座る。

『そんな焦らんでも、笑』

「べふにあせってふぁないよ(別に焦ってはないよ)」

『何いうとるかわからん』

「っん、ほら食べ切ったよ」

そう言い終わるぐらいに柔らかい触感が唇にあたる。

次第に生温かい感触が口内を侵食してくる。

それを合図に私とそいつの、長くて短い夜が始まった___。

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そいつ、宜隆とは腐れ縁みたいもんでよく一緒にいた。

それからよくつるんでるうちに友情だけでは片付けられないこともするようになった。

『お前、初めてか...？』

「...ううん、違うよ、笑」

__嘘をついた。

本当は男の人とそんなことをするのは初めてだった。

でも初めてだと伝えたら重いと思われそうで、俺にそんな責任なんて負えないと言われそうで怖かった。

でも彼は

『.....そうか』

としか言わなかった。

色んな人と遊んでいる事は知っていた。
これだけ近くにいれば嫌でもわかる。

だからただそのうちの遊びの一人にでもなれればいい、そう思っていた。

遊び人の彼へ抱いてしまったこの感情を隠すように__。