そして、彼は考えるのをやめました。37

Episode1815 ページ42

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「うわぁ！スイカだぁ！」



ある昼のこと。

日向家に2つのスイカが届いた。



「『秋、夏美、冬くんへ
毎日暑い日が続きますが元気にしていますか？
大きなスイカが出来たので送ります。皆で食べてください。
おばあちゃんより』」



「おばあちゃん家のスイカ甘くて美味しいもんね！」



「やっほう！皆で食べよ！」



秋奈からスイカが送られてきて、嬉しそうにする夏美。
早速食べようとしたその時だった。



「見事なスイカでござるな」



「甘そうですぅ」



「……見ただけで甘そうって分かるの？」



「てゆーか、水分補給？」



「楽しみでありますなぁ！」



「スイカくれ」



夏美の座っていたソファーの後ろから、
聞き付けたケロロ小隊とモアがやって来て、
先程までウキウキしていた夏美の気分が下がった。



「皆で食べよー！」



ケロロは夏美の頭の上に乗ってスイカを見ていた。



「侵略ガエルを皆に含めた覚えはないんだけど？」



「良いじゃないの！ケロちゃん達にも分けてあげましょうよ！」



「えー？」



「流石ママ殿！」



「ぷー…」



秋の優しさにケロロ達は明るい笑みを零し、
夏美は不服なのか頬を膨らませていた。



「皆で食べよ！」



「「「おー！」」」



「「……え？」」



ケロロ小隊も含めたかと思われたが、
その後ろには他の宇宙人達もいた。
流石に予想していなかったのか秋や冬樹は
沢山の宇宙人を見て唖然としていたのだった。

____



「ケロロ小隊見学ツアーへ！またのお越しを！」



「なんで今日に限って…」



どうやら、沢山の宇宙人が来た理由は
ケロロ小隊の見学ツアーだったらしい。
スイカを持って帰っていく宇宙人にケロロは手を振って見送っていた。

____



「では我々も！提督殿のスイカ！
心して食するであります！」



ケロロ達も切ったスイカをそれぞれ自分の手に収める。



「ふんふふんふーん」



［特製ガラムマサラ］



クルルだけは塩……ではなく、
自作のガラムマサラをスイカに振りかけていた。



「それでは！いっただきまーす！」



ケロロはスイカを食べる。
……がしかし、すぐに固まってしまった。

何故なら見学ツアーに来た宇宙人にも
スイカを分けてしまったせいでとんでもなく
薄いスイカが出来てしまったのだから。



「た、食べた気がしないだと？」



「仕方ないでしょ？皆で分けたんだから…」



［別名ドリフカット］

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