そして、彼は考えるのをやめました。37

Episode1787 ページ15

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「ねぇ、ギララはん！今日はどうだった？」



「……うん」



「うんじゃなくて！」



色んな乗り物に乗って最後に観覧車も乗り終え、
まだ閉園まで時間があるということで、
カララちゃんとクレープを食べる。

アイスとクレープって美味しいんだ。
バナナと生クリームもよく合う。



「むー…。ギララはん笑顔にしたかったのに…」



「…なんで、そんなに笑顔にしたいの？」



「うーん。そうやなぁ。
ギララはん、皆が笑っている時とか、
見ててあんまり楽しそうじゃないなぁって」



まぁ、実際に楽しいと思ってないし。
何があってもどうでも良い。
皆が幸せならそれで良い。それで良い…。



「…余計なお世話。要らない、そんなの」



「っ！なんでそんなこと言うん！？
そんなのぜぇぇったいにない！！」



「…………」



なんでそんなに断言出来るのか不思議だ。

何年近く笑えていないのも忘れたのに、
なんでこの子は知ったような口を聞くんだろう。
意味が分からない。



「うちはこんなことで諦めへんで！
今度はチロロと一緒にお笑い考えて！
絶対にギララはんを笑顔にしてみせるから！

そんときは…お嫁さんにしてえな…」



「……………うん」



君が別の人に惚れている時は、
ボクを笑顔に出来ていないと思うけど。
順番的に、今度は隊長が惚れられる番だろう。

今はこうやって見守っておこう。



「…君、本当に変わってるね」



「ホンマ！？嬉しいなぁ！」



「……褒めてる訳じゃないんだけど」



褒めてる訳じゃないけど褒められたとして
受け取っているカララちゃんにため息を吐きながら、クレープを食べる。

…なんでため息なんて吐いたんだろう。

耳元にペコポン人の悲鳴が聞こえてくる。
上を見ればさっき乗ったジェットコースター。
…何故悲鳴を上げるのだろうか。



─ブーブー



「…………」



「ギララはん、電話鳴ってるで」



「うん」



震える携帯を見詰めると電話の相手は隊長。

受話器のボタンを押して「はい」と出ると、
〈ギララー！！〉と隊長の怒鳴り声。
耳がキーンと鳴っている。



〈なんで電話に出ないでありますか！〉



「…すみません、隊長」



「何何！？ケロロはん？」



「…………」



ボクは隣で目を輝かせているカララちゃんを見て、
無言でガラケーを渡してお話させた。
電話の向こうで隊長が焦ってる声が聞こえる。

ボクは無視して夕日を見ながらクレープを食べた。

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