Episode1093 ページ4
✿
夏美達はそれを見詰め、ガルルも何も言わずに、
腕を組んでただ黙って見るだけだった。
「…………ケロボールを渡せ」
「……っ！」
「渡せ。………冬樹殿」
「っ！」
名前を呼ばれた冬樹はケロロ大尉の方を見て、
ケロボールを渡せとずっと手を伸ばしてくる彼に、
大人しくケロボールを渡した。
「ゲロゲロゲロ…。遂に取り戻したであります」
「流石ケロロ大尉っす！」
「ゲロゲロゲロ…。ゲ〜ロゲロゲロ！
ゲ〜ロゲロゲロ！ゲ〜ロゲロゲロゲロゲロリ！」
「「っ！」」
不敵に高く笑うケロロ大尉。
しかし、その笑い方は侵略者と言い難い笑い方であり、
夏美と冬樹は目を見開いてケロロ大尉を見る。
ケロロ大尉を見るガルルも何かを察しつつも、
そのまま黙って彼の方を見詰めて、
ギララに扮したコピーロボットは目を瞑った。
「…………」
ギララもそんなケロロ大尉を黙って見つめていた。
「我輩、ケロロ大尉の勝利宣言を聞け」
ケロロ大尉はケロボールにあったスピーカーのボタンを押した。
「あーあー。本日は晴天なり。本日は晴天なり。
聞こえるか！我輩はケロロ大尉である！」
「……っ」
ケロロ大尉がマイクのようにケロボールを使って話すと、
ギララの軍帽にあるマークが光り出し、
ケロロ大尉の声を掴んでいた。
「ケロロ小隊は、見事ペコポンを制圧せり。
繰り返す。我が新ケロロ小隊は邪魔なペコポン人の排除に成功し、
見事に、ペコポンを制圧せり」
ケロロ大尉のその声は、湖で気を失っていたギロロ。
瓦礫の上で気を失っているタママ。
トロロに反撃するためにパソコンを打つクルルにも届いていた。
「これより、このケロロ大尉の有難い一言を、
耳をかっぽじってよーく聞くが良い！」
「(ケロロくん…)」
座禅して姿を隠していたドロロも
ケロロ大尉の声を聞いて何処か心配そうにしていた。
＿＿
ケロロ大尉の言葉を司令室にいる全員は黙って見届け、
冬樹も何処か不安そうに彼を見詰めていた。
そして、ケロロ大尉は目を開き、その目は黄色く光り、
有難い一言を言おうと口を開いたのだった。
「なーんちゃってぃ！」
─冬樹達にメッセージを送る際に最後に言ったあの一言。
その言葉はエコーになって司令室に響き渡った。
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Irobi(プロフ) - ゼレビィさん» 誤字の指摘とても助かります。ありがとうございます、修正完了致しました。 (2022年7月6日 18時) (
レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
ゼレビィ - ページ12のとこのクルルのイニシャルちがいますよ (2022年7月6日 17時) (レス) @page12 id: 87c4baef62 (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - 木綿のおとうふさん» ありがとうございます！是非とも楽しみにしてくれるととても嬉しいです！ (2022年2月6日 22時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
木綿のおとうふ(プロフ) - ガルル小隊編お疲れ様でした！番外編楽しみです！ (2022年2月6日 22時) (レス) @page26 id: 8b26f2b109 (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - シャルルさん» いつもありがとうございます！！これからも楽しく閲覧してくれれば幸いです！続編でもよろしくお願いします！ (2022年2月6日 21時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Irobi x他1人 | 作成日時：2022年2月6日 14時
