□番外編1 ページ26
✿
【ギララとバイトの話】
________
「…………」
ある昼下がりの事だった。
アンチバリアを張ってパン屋の前に来たギララは
ショーケースにべったりとくっついてジッと見詰めていた。
今はペコポン人スーツもないことから、
買えることも出来なく、ただ見ることしか出来ない状態なのだろう。
ギララが財布を取り出して、中身を確認すると、
そこには100円玉1枚、50円玉1枚、1円玉4枚がある。
合計で154円。パンを買えるお金はある。
「…………」
そういえば、今月の給料がまだ出ていない。
軍からそこそこの給料は貰ってはいるが、
それは全てケロロ小隊の地球侵略へと勝手に回られていく。
そう。勝手に、だ。
と言っても、飯な生活については問題ない。
ケロン軍本部にいた頃のサバイバル経験や
得た資格を活かしてなんとか生き延びてはいる。
風呂だって地下基地の風呂を使えば問題ない。
充実とまではいかないが…。
ギララがショーケースを離れると、
1枚の貼り紙が目に入った。
【短期アルバイト急募】
「………ふむ」
アルバイト急募のチラシを見て、
ギララは顎に手を添える。
時間を見れば、昼の時間帯は『8:00〜14:00』であり、
夜の時間帯は『14:00〜20:00』と分けられていた。
短期期間は3ヶ月らしい。
「……………」
ギララは数分それを見た後、パン屋を去っていった。
______
「あ?ペコポン人になれる機械?」
「…ない?
ギララ子とか操作系じゃなくてペコポン人になれるやつ」
ギララが向かった場所はクルルズラボであった。
クルルはギララの話を聞いてはいるが、
一向に振り返らず、コンピューターを操作していた。
「ペコポン人スーツとかでもなく?」
「…それは……死ににいくようなものなんじゃ…」
「何言ってんだお前」
和菓子屋の件で夏美にたっぷりと絞られたギララ。
アルバイト先でもし夏美に見付かったりでもしたら、
どうなるのかは目に見えている。
ケロロよりは酷くなく、ただの説教だけであろうが…。
ギララの事情を何も知らないクルルは鋭いツッコミをした。
「まぁ、あるにはあるぜェ?」
クルルはその場に立ち上がって発明品のところを漁ると、
1つの小瓶の中に綺麗な飴が沢山入っていた。
「『鉄ノハインリヒ飴』だ」
「鉄のハインリヒ?」
「『カエルの王様』って意味だな。
ペコポンが作った作り話の1つだ」
「……へー…」
24人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Irobi(プロフ) - ゼレビィさん» 誤字の指摘とても助かります。ありがとうございます、修正完了致しました。 (2022年7月6日 18時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
ゼレビィ - ページ12のとこのクルルのイニシャルちがいますよ (2022年7月6日 17時) (レス) @page12 id: 87c4baef62 (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - 木綿のおとうふさん» ありがとうございます!是非とも楽しみにしてくれるととても嬉しいです! (2022年2月6日 22時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
木綿のおとうふ(プロフ) - ガルル小隊編お疲れ様でした!番外編楽しみです! (2022年2月6日 22時) (レス) @page26 id: 8b26f2b109 (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - シャルルさん» いつもありがとうございます!!これからも楽しく閲覧してくれれば幸いです!続編でもよろしくお願いします! (2022年2月6日 21時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Irobi x他1人 | 作成日時:2022年2月6日 14時