Episode1057 ページ18
✿
[そして次の日]
「もー、昨日は大変だったよー。
携帯のアドレスもぜーんぶ消えちゃってさー…」
「結局、原因は分からないんでしょ?
気味悪いよね…」
「何だったんだろう…。あの星のマークみたいなの…」
「さあ!あはは…」
ある昼下りの事であった。
夏美は五月と弥生とお出かけをしており
昨日のネットワーク障害について話していた。
星のマークの話題が振られた時、夏美は目を点にして
一瞬だけ固まっていたがすぐに誤魔化したように笑う。
「それよりさ!
この後、ちょっと寄ってみたいお店があるんだけど…」
夏美が話題を変えて話し掛けると
いきなり時が止まったような感覚に陥った。
「……?何?今の…。
ね、弥生はなんともなかった?」
「…………」
「……弥生…?ねえ…」
夏美は隣にいた弥生に話し掛けるが、彼女からの返答はない。
夏美が弥生の肩を触ると、弥生は人形のように倒れてしまった。
「きゃあ!?
弥生…?五月!大変!弥生が…。…………へ?」
夏美が隣の五月に慌てて話そうとするが
五月はアイスを持ち、笑顔のまま固まっていた。
「五月……?ちょっと…」
夏美が名前を呼んでも一切返事が帰って来ず、
辺りを見渡すと、ボール遊びをしていた少年、
楽しそうに会話に花を咲かせる主婦、散歩中の犬、
夏美以外の全ての人間が止まっていた。
「皆…止まってる…?
どうなっちゃってるのー!?」
______
冬樹も夏美と同じようなことが起こっていた。
彼も混乱しながらリュックサックを背負って走っていた。
「(一体…何が起こっているんだ…。
僕以外の全ての物が…止まっている…)」
冬樹が角を曲がると556の姿が見えた。
「あっ、556さん!良かった…。
ねぇ、これは一体……」
冬樹が556に話し掛けるが556は止まっており、
隣で必死に謝っているラビーまでもが止まっていた。
「556さんやラビーさんまで…」
まさか宇宙人まで時が止まっているなんて考えられなかったのか
冬樹は体を震わせながら2人を見詰めていた。
すると、後ろから誰かが歩いてくる音が聞こえ
冬樹は即座に後ろを振り返った。
「…っ!貴方は……」
「また会えたね。日向冬樹くん」
歩く際に靡く金髪の短髪。
ギララ、ケロロが拾った天文学でのレポート、
クリスマスの後に冬樹が話したあの大学生の男性だった。
冬樹が目を見開いているのとは逆に
大学生はふわりと微笑んでいた。
23人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Irobi(プロフ) - クロごまさん» コメントありがとうございます。ご感想もとても嬉しいです。励みになります! (2022年2月3日 16時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
クロごま - こ、コピーロボット!?これは予想していませんでした…。 (2022年2月3日 13時) (レス) id: cb56eb981d (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - 木綿のおとうふさん» ありがとうございます!そう言っていただき、とても嬉しいです。励みになります! (2022年2月1日 20時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - ゆっこさん» ありがとうございます!(^^) (2022年2月1日 20時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
木綿のおとうふ(プロフ) - 劇場版お疲れ様でした!上等兵くん凄くかっこよかったです! (2022年2月1日 13時) (レス) id: 8b26f2b109 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Irobi | 作成日時:2022年1月31日 23時