Episode1270 ページ7
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「だが！今回は違う！もう同じ過ちは繰り返さない！
今度こそ本物のすももちゃんの声を！
ラジオで流すのであります！」
「ってことは…本物のすももちゃん呼ぶんですかぁ？」
タママが不思議そうにケロロに聞くと、
ケロロはあるおもちゃを取り出した。
そこには『おしゃべりすももちゃん』と
大きくパッケージに書かれた
すももの喋る人形がケロロの手に持たれていた。
「この！おしゃべりすももちゃん人形を使うのであります！」
「「「っ！」」」
ケロロの取り出した人形に対し、
鼻ほじるクルルと真顔のギララ以外の三人は驚いたように見る。
「この紐を引けば…ほれこの通り」
「〈すももでーす！〉」
「そり」
「〈よろしくおねがいしまーす！〉」
「うりゃ」
「〈いや〜ん！すもも恥ずかしい！〉」
背中にある紐を引っ張ると、
人形からはすももの声が会議室に響いた。
「なんと、3パターンもの台詞を喋る優れもの！」
「…3パターンって少なすぎません？」
3パターン”も“ではなく3パターン”しか“ないのだ。
あまりの少なさにギララはツッコミざるを得なかった。
「き、貴様またそんなセコい手を…」
「文句があるならぁ、ギロロぉ。
アンタすももちゃん役、やる？」
「っ！」
すももの代役をやって黒歴史があるのか、
ギロロは思い切り目を見開いた。
「それでは！今夜の放送開始まで、
各自台本を熟読しておくように！」
ケロロがテーブルから出したのは、
かなりの量の台本だったのだった。
＿＿＿＿＿＿
そして、約束された夕方。
日向家の屋根からは大きなアンテナや発信機などが出てきた。
〈さぁ今夜も始まった623の俺ラジオ！
まずはいつものように掴みのポエムから！
今夜は奥東京市のラジオネームナッチーのさんからのポエム！〉
「っ！やったぁ！久々に読まれたぁ！」
ライオンのぬいぐるみを抱き締めながら、
夏美が623のラジオを聞いていると、
久しぶりにポエムを読まれたことに嬉しさを感じていた。
しかし、ラジカセからは急に騒音が響き、
「へ？」と夏美は素っ頓狂な声を上げた。
〈ケロロ軍曹の！怪傑ドーパミン！〉
「ぼ、ボケガエル…！また！」
この放送を聞いた今の夏美は驚きしか出てこなかった。
＿＿＿＿
「さぁ！ついにやってまいりました！
長らく語り継がれてきたあの伝説の番組！
ケロロ軍曹の怪傑ドーパミンが遂に帰ってきた！」
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作者名：Irobi | 作成日時：2022年3月18日 20時
