Episode1308 ページ45
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「…いないな…」
アンチバリアを作動しながら、ギララはフライングボードに乗って、
カララとヴァイパーを探していた。
公園、森、ショッピングセンター、商店街、
色々なところを見て回ったがそれらしき人物はいなかった。
携帯電話を取り出して通知を確認するが、
他で探している隊員達から連絡は無かった。
「…あとは何処に…」
他に探していないところは無いのか、ギララは隣町へと移動した。
____
「…………」
オレンジジュースの蓋を開けてギララはそれを飲む。
隣町に行ってもカララやヴァイパーの姿は無かったので、
他の人はどうなのだろうかと、ギララは携帯を取り出してケロロに電話をした。
〈おぉ!ギララ!もしかして見付かった?〉
「…いえ。どこにも居なかったです」
〈ゲロ…〉
居なかったという報告を聞いたケロロは
すぐに声のトーンが下がった。
〈ギロロもタママも見当たらないって言ってたから、
こうなったらギララ、宇宙人街でありますよ〉
「了解です。失礼します」
ギララはオレンジジュースの缶をゴミ箱に捨て、
フライングボードに乗って宇宙人街に繋がっている
商店街の方へと向かっていった。
____
最後の綱として宇宙人街に入ってみると、
沢山のテレビにはカララが攫われたというニュース。
そして宇宙警察であるポヤンも見張っていた。
「うーん…。地上の何処にも見当たらないとなると、
あとは宇宙人街しかないでありますが…」
「もうすぐドババ家の私設軍が到着しちゃうですぅ…」
「…多分あと数分ぐらいですかね」
「ったく…欲をかくから、こういうややこしいことになるんだ!」
ケロロは中々見付けられずに落ち込んで、
肩を落としながら歩いていた。
早く見付けなくてはドババ家が地球へ来てしまう。
ギロロが呆れたように言うとケロロは顔を歪めた。
「そんなことより…ちょっと此処らで腹ごしらえするであります!
歩き回ったら我輩、お腹空いちゃって…」
「「…………」」
─ぐぅ〜
カララを探すよりも空腹になったケロロに
ギロロとタママが呆れ果てていると、
後ろから腹の鳴る音が聞こえ、三人は振り返る。
「…………」
その犯人はギララだった。
「ほら、ギララくんの腹も鳴ってるし」
「…ごはん」
「「はぁ…」」
食べる気満々の二人を見たギロロとタママは
とても大きな溜め息を吐いたのだった。
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作者名:Irobi | 作成日時:2022年3月18日 20時