Episode1267 ページ4
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色々トラブルはあったものの、短冊は全て
笹に吊るして戻すことにした。
「ったくもう…人がせっかく心配してたのに…。
何やってんだか…」
「…そうですよね。
やっぱり人の願い事を勝手に見たりしちゃいけませんよね…」
夏美が腰に手を当てて呆れたように言い、
ケロロはまた汗をかき、彼女からの言葉に
桃華も深く反省していた。
「ホントだよ軍曹」
「えぇ…」
「そんなの聞いてくれればいつでも教えてあげたのに…」
「あ、あの…それじゃあ冬樹くんはなんて書いたんですか？
た、短冊の…願い事…」
桃華はずっと知りたかった冬樹の願い事を
少したじろいながらも勇気を出して聞く。
「うん。『軍曹や皆といつまでも楽しく一緒に暮らせますように』って」
「冬樹殿…」
冬樹の平和的な願い事にケロロはホロリと目を潤ませる。
「そ、その皆の中には…わ、私も入ってるんですか…？」
「ふっはは！もちろんだよ！」
「っ！冬樹くんっ…！」
恥ずかしそうに聞く桃華に対して、
冬樹は笑いながら答えてくれる。
冬樹の答えに自分も入っていることに
嬉しさを感じた桃華は顔を明るくさせて彼を見た。
「あっ、あー…夏美。夏美は短冊に…」
「へ？」
「えっ、あっ…なんでもない…」
ずっと気になっていた夏美の願い事を
ギロロも聞こうとするが、恥ずかしいのか
聞くのをやめてしまったのだった。
「あっ、そういえば…ギララの願い事もあったでありますな」
「……まぁ。秋さんと一緒に…」
「見ようとしたらタイミングよく警報鳴ってさぁ…。確かここに…」
どうやら、ギララも商店街の短冊に願い事を書いたらしい。
ケロロがギララの短冊を探していると、
「おっ、あったあった」と言って淡紫色の短冊を見つけた。
「えーっと？何々〜。
『パン』
……なにこれ」
「願い事が分からないので秋さんが
今食べたいものを書いてみたらって言われたので
頭に浮かんだパンを書きました」
それは願い事なのだろうか。
そんなギララに全員は苦笑いしていたり、
呆れた目で見つめていたのだった。
「アンタ…ホント相変わらずね…」
「…？隊長が言うならそうなんですね」
7月7日の七夕の空には綺麗な天の川が照らしていた。
［皆の願い事、叶うといいね］
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作者名：Irobi | 作成日時：2022年3月18日 20時
