Episode1279 ページ16
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「いやぁ!あれだけ作ったカレーが
瞬く間に底をついてしまったであります!」
「売上金もすごいですぅ!」
「あっ…あの…拙者の撒いたチラシも少しは役に…」
気付けばすっかりと夜になってしまい、
店が閉店になると空になった大鍋を見て、
ケロロとタママは大満足していた。
そしてドロロは安定に気付かれていなかった。
「可笑しいとは思わんか」
「ゲロ?」
「夏美は料理の腕は超一流だ。
その夏美が認めなかったカレーが何故ここまで客を呼び寄せるのか…」
料理上手な夏美が美味しくないと言っていたカレーが
何故底をつくまで売れたのか、
ギロロもギロロで不信感を抱いていたらしい。
「ふん。一流の料理人が一流のグルメとは限らないでありますよ!」
「おじさま…」
ケロロが肩をすくめて話を聞かないようにしていると、
モアが少し気まずそうな声でケロロを呼び、
ケロロ含めて全員が彼女に視線を移した。
「実は内緒にしてたんですけど…。
昨日の夜、見ちゃったんです」
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「………っ!」
「うじょいあいぽいぽ…うじょいあいぽいぽ…うじょいあ…」
モアが隠れて見ていたのは、司令室に置いてあった
カレーを混ぜながら謎の呪文を唱えるクルルの姿だった。
____
「ゲロ!?クルル曹長がでありますかぁ!?」
「ということは…あのカレーの中には何かが…」
「…なんかヤバメの薬とか入ってたり…」
「えええっ!?想像したくないですぅ!」
モアから話を聞いたドロロ以外の4人は
クルルがカレーに何かを入れたのではと想像する。
彼の性格からしてかなりまずいものでも入れたのだろう。
「だが、結果的にヤツの入れた何かのお陰で、
あのカレーが大人気になったのだとしたら…」
「ゲロぉ!?」
店内にいる全員はカレーが入っていた大鍋から放つ
謎のオーラに恐怖を覚えたりなどしていた。
「ク〜ッククク〜」
全員の頭の中には不気味に笑うクルルが浮かんだ。
「そ、そんなことないであります!
大人気になったのは全て!この我輩の腕のお陰でありまーす!
ぼ、僕が一番…上手くカレーを作れるんだ!
一番上手く作れるんだぁーー!!!」
「突然のアムロ」
自分がカレーを上手く作れると自信満々に叫ぶケロロに
ギララだけは冷静にツッコミをしたのだった。
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作者名:Irobi | 作成日時:2022年3月18日 20時