そして、彼は考えるのをやめました。17

Episode800 ページ11

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「トイヤッ！」



満月に照らされながら日向家にやって来たのは
月見団子を抱えたドロロだった。



「みんな！月見団子でござるよ！


………？」



『ママみんなでいっしょに月へいってくるね！ by723』



「皆で一緒にって…。
せ、拙者は…？だ、団子はァ！？」



相変わらずの扱いで忘れられてしまい、
誘ってすら貰えていない月旅行に
ドロロは断末魔をあげた。

＿＿＿＿＿＿＿＿



そして、月。

5人に近付いてくる耳の高い謎の宇宙人。
その宇宙人は銃を向けた。



「ゲロ…。敵性宇宙人でありますな！御用御用でありまーす！」



ケロロが攻撃しようとするが、一発でやられてしまい、
画面には鳥獣戯画が映った。



「軍曹！」



「ゲロゲロ…」



「カエルの分際で…無礼だピョン！」



相手がかなりの力があったのか、
ケロロはクレーターに埋められてしまっていた。

建物から顔を出したのはウサギをモチーフにしたロボットが出てきた。



「う、ウサギ型ロボット？」



「誰がカエルじゃゴルァ！この泥棒ウサギが！」



「…いや、僕達カエル型宇宙人ですけど」



ロボットを指差して唖然する冬樹にカエルと言われてキレるケロロ。
そんなケロロにギララが鋭いツッコミを行った。



「何を訳のわからんことを言ってるピョン！」



ロボットはそう言って背中から銃を取り出して
ケロロ達に向け、銃を向けられたケロロ達は悲鳴を上げる。



「ウサギはニンジンでも齧ってんのがお似合いであります！」



「やかましいピョン！」



「ギャァァ！！！」



2本のニンジンを取り出してプラプラさせて
煽りまくるケロロだが、ロボットは怯まずに
銃を前に出されてまた悲鳴をあげた。



「おやめなさい」



「っ！姫！」



建物の中から姫と呼ばれる女性がロボットを止め、
ロボットはすんなりと銃を向けるのをやめて
目を閉じて浅く屈んだ。



「見付かってしまったからには仕方ありません。
全ての事情をお話しましょう」



「ゲロ？」



建物の中からはとても綺麗な女性が出て来て
何があったのか話をしようとする女性に
ケロロ達は疑問符を浮かべた。

＿＿



「話は貴方達の星の時間で1000年も前に遡ります。
遠い昔に母星をなくした私達は新天地となる惑星を探し求めて
長い放浪の旅を続けていました。

ですがその途中、宇宙大竜巻に巻き込まれ、
この地に不時着したのです」



「う、宇宙大竜巻…？」



聞いたことのない竜巻の名前に冬樹は戸惑う。

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