そして、彼は考えるのをやめました。14 (ページ8)

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Episode647 ページ8

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「すごいな日向！」

「流石オカルト博士だぜ！」

「(素敵ですわ…冬樹くん…)」

冬樹がケロロに指摘していくところを見ていた
生徒達は彼を褒めて、桃華は惚れ直していた。
教室が和やかな空気であったが、ギロロが机を思い切り叩く。

「おい！ケロロ！じゃなかった…ケロ八先生！」

「ん？どうしたギロ山」

「我々の目的はペコポンの青少年の実態調査だろうが！」

ケロロがいる教卓の前までやって来て
小声で本来の目的を指摘するギロロ。

「今日のギロ山は積極的だなぁ！
やる気があってよろしい！

では、この問題が解けるまで黒板の前で立ってなさい！」

ケロロが黒板に書いていったのは
中学生で習うはずのない公式や数式ばかりであり、
ギロロは白目を剥いていた。

＿＿＿

「それじゃ！次は体力測定だ」

「先生。ゲロゲロ言いながらカエル飛び100回って
何の意味があるんです？」

「意味ぃ？君たちにはあれが見えないのか！」

「ゲロゲロ！ゲロゲロ！」

散世がまたもやケロロに指摘をしていくと
ケロロが指を差し、生徒達は桃華が言われた通りに
ゲロゲロ言いながらカエル飛びをしていた。

「(運動は苦手ですけど
冬樹くんがあんなに頑張って勉強しているのですもの。
私だって！)」

一生懸命頑張る桃華の姿に皆は目を奪われた。

「西澤さん、なんだかすごいぞ！」

「ギラ奈達もカエル飛び100回やろう」

「よーし！モモッチに続けですぅ！」

「「「おー！」」」

ギララとタママが生徒たちの前に立って
特にタママが張り切ったように言うと
散世以外の生徒達もやる気に満ちているようだった。

「「「ゲロゲロ！ゲロゲロ！ゲロゲロ！」」」

生徒達は鳴きながらカエル飛びをしていく。
改めて、クラスの絆が芽生えた。宗教みたいだが。

その様子をメモをとっていた散世の肩をケロロは手を乗せた。

「頑張ることに意味なんて無用
何でも一生懸命にやることが大事なんだ！」

ケロロの言葉に散世はメモを取るのをやめて黙る。

「(ゲロゲロだなんて…そんな馬鹿みたいなこと………でも)」

「ゲロゲロ！ゲロゲロ！

吉祥学園新聞部として…
読者である一般生徒の気持ちを理解しなきゃ！」

散世はメモ帳とペンを置いて
少し離れた所からカエル飛びをしていった。

体育館の中では生徒の「ゲロゲロ」といった
鳴き声が響いたのだった。

［そして授業は終わり、
ケロ八先生と生徒たちの別れの時が訪れた］