そして、彼は考えるのをやめました。11

Episode523 ページ34

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「うわぁぁぁぁぁっ！？！！」



しかし、日向家の周りでは強力なバリアが張っており、
それにぶつかってしまったドロロは強い電流を受けて、
そのまま真っ黒に焦げてしまう。

電流のせいで痺れてしまったドロロは高いところから
庭へと勢いよく落ちていって気絶した。



「ドロロ！」



「あーあー…」



「完全に遮断するって言っただろ？
電磁バリアで覆ってあるんだよ。クックック」



「ううぅ……無念…」



騒ぎを聞き付けた5人は庭へ向かうと、
真っ黒に焦げているドロロが目に入る。

ドロロは何とか意識を取り戻して手を伸ばすが、
一言告げて、伸ばしていた手が降りて、
今度こそ気絶をしてしまった。

＿＿＿＿



「ったく、うるっさいなぁ…。…………え」



大きな音で目覚めてしまった夏美は、
鬱陶しそうに言いながら階段を降りていくと、
彼女の目に、壊れて粉々になった電話が見えた。



「な、なにこれ…」



悲惨な状態になった電話を見た夏美は
何故、こんなことになっているのか理解出来ず、
リビングに向かうために早歩きで行く。



「あぁっ！」



何かを見付けた夏美は驚いた顔をして声を荒らげた。

＿＿＿＿



ある一冊の本が置かれる。



「……？」



本を読んでいた冬樹はその音に気付いて
後ろを振り返ると、赤くて分厚い本がある。



「何だろう…」



冬樹はそう呟いて、どういう内容の本なのか、
疑問に思いながら本を開いてみる。



「すごいっ！アダムスキーと金星人の対談だ！
これは読み応えがあるぞーっ！」



どうやら、冬樹が好きな本が置いてあったようで、
読書魂に火が付いた冬樹は机に向かって、本を読んでいた。

その様子をケロロ達は盗み見していた。



「超珍しいUFOの本…これで冬樹殿は行動不能！」



「…開けられなくするためのドアの細工とかは？」



「いや、そこまでしなくて良いであります」



冬樹が動けなくなったことに成功したケロロ。
工具箱を取り出して言うギララに、
ケロロは手を横に振って苦笑いしてツッコんだ。



「ママさんは家に居ないし…！」



「残るは…」



「アイツだな」



彼らにとっての危険人物、日向夏美である。

一方の夏美はというと、自分の携帯電話を手に取って、
怒りで体を震わせていた。



「あっ…」



夏美が携帯電話を手に取って数秒経つと
持っていた携帯電話が粉々に落ちていき、
目を点にして見詰める。



「あんの…っ！ボケガエル！！


どういうつもり！？」

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