そして、彼は考えるのをやめました。11

■Episode520 ページ31

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【夏美 高熱の地球戦士 であります】

＿＿＿＿＿＿＿＿



［その日も、いつもと変わりない
穏やかな一日となる……筈だった］



「こ、これは…っ」



「…？」



テントの中である物を見付けたギロロの声に
起きた猫は目を開いてギロロの方を向く。

何だろうと思って歩き出し、ギロロの所へ行って
彼の方を向いて猫は鳴く。



「はっはっは。
古い荷物を整備していて懐かしいものを見付けたんだ。
……こんなもの、持ってきたんだな…。忘れていたぜ…」



ギロロの手に持っているのは何かのDVD。
早速、パソコンを開いてディスクを入れて
ギロロと猫は再生して動画の内容を見た。



〈つまり、地球(ペコポン)は我々にとって屈服さすべき敵なのであります〉



画面の中ではケロロ小隊6名が記者会見を行っていた。
ケロロの発言からして、まだ地球に行く前の事だろう。



〈ギララさん、目線こっちにお願いします〉



ずっと上を向きっぱなしで記者会見というのにも関わらず
人の話を聞いていなかったギララであったが
記者から言われて1分程度経った頃に前を向き直した。

その瞬間、写真を撮られてフラッシュが原因で目を瞑った。



〈ギロロ伍長さんにお伺いします〉



〈うん？〉



〈映画などで敵の女性と恋に落ちる兵士が描かれたりしますが…〉



〈ふん。くだらん〉



一人の記者がギロロに質問をすると
ギロロは腕を組んで鼻を鳴らし、たった4文字で回答を済ませた。



〈しかし、魅力的な女性兵士とか居たりしたら…〉



〈クックック〉



〈ピクニックに行くわけじゃないぞ！
どんな女であろうが関係ない！
目的達成のためなら、容赦はしないっ！〉



記者の言葉にクルルは笑っていると
ギロロ怒りながら言葉を返していた。

記者会見の時の自分を見ていたギロロは顔が青ざめており
言葉を失いつつも、更に続きを見ていく。



〈それが軍人としての義務だっ！
約束しよう。必ずや近い将来、地球(ペコポン)を制圧し、
諸君らを迎え入れるとっ！〉



机を勢いよく叩きつけて席から立ち上がり
記者、小隊メンバーの前で断言するギロロに
周りからは拍手が送られた。



〈言うねぇギロロ〉



〈流石伍長さん！〉



［それは、ケロロ小隊がケロン星を出発する前の
記者会見の記録であった。


あーあー…こんなこと言っちゃったのねぇ…］



遂、記者会見であのような事を言ったギロロだったが
今では日向夏美という少女に恋心を抱いているのだ。

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