そして、彼は考えるのをやめました。11

Episode500 ページ11

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桃華から電話が来て穴場のミステリースポットを見に行く為に
取り敢えず、準備をしようと冬樹は部屋へ向かったのだった。



「すっごい効き目…」



「この季節ってつい気が緩んじゃって
何もする気が起こらなくなったりするのよね」



「春だから？


ふふっ。だったらいっつも緩みまくってる
ボケガエルは頭の中が年がら年中春なんだ！」



春は暖かい季節だからか眠くなるのだろう。
夏美はケロロに対して失礼な事を言って
自分の言葉に面白く感じて笑っていた。

庭にはケロロがスコップを持ってリビングの方を見て
夏美の言葉を聞いていたなんて誰も思う筈がない。



「(年がら年中春…。我輩が…)
いつも緩みまくり……でありますか…。ゲロ…ゲ、ゲロ…



うわぁぁぁん！！！」



夏美の言葉を聞いてショックを受けたケロロは
泣き喚きながら庭を走って行った。




「(酷すぎるでありますっ！これだけ毎日一生懸命で…

ガンプラ作ったり…テレビ見たり…ネットやったり…
漫画読んだり…ガンプラ作ったり…ガンプラ作ったり！
しているというのにぃ〜！)」



［そりゃ言われてもしょうがないでしょ…］



これまでのことを思い返せば、いつもガンプラを作っていたり
冬樹と笑い合ったり、部下と作戦を考えて失敗し
夏美に怒られていた毎日だった思い出が蘇る。

ナレーターの言う通り、これは何も言えず
夏美の言葉の方が正しかった。



「はっ！……こ、これは…春のポカポカ陽気…
緩みまくりの心…緩み……たるみ…


……ゲロリ」


日向家が使っている赤い車の上にギロロのテントで
よく見る子猫が気持ち良さそうに寝ていた。

これを見たケロロは怪しく笑って
また何か作戦を立てていた様子だった。

＿＿＿＿＿＿＿＿



「どうだ、クルル曹長」



「クック〜。順調だぜェ」



白のタキシードに黒のマントを着て黒の杖を持ち、
地下室のラボへとやって来るケロロ。

クルルは機器に向けて何かをプログラミングし
彼らの目の前には色々なコードが着いた
大きな機械があり、ガラス窓がピンク色で光っていた。



〈チェックメイト、キングツー！
こちらギロロ！こちらギロロ！！本部、どうぞ！〉



「こちら本部、何か」



〈既に8時間だぞ！俺は後何時間こうしていればいいんだ！〉



モニターにはナマケモノに捕まって、
頭にコントローラーのようなものを付けて、
何とか落ちないように気にぶら下がっているギロロだが
限界が近付いているみたいだった。

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