そして、彼は考えるのをやめました。8

■Episode350 ページ8

✿


【ケロロ の恐竜 であります】
＿＿＿＿＿＿＿＿



［一度あることは二度ある、
経てして不幸は続けてやってくるものである］



〈ていう訳で次のハガキいってみよう！
奥東京市のラジオネームナッチーさんから！〉



「やった！また読まれた！」



623のラジオを聞きながら勉強をしていると、
また夏美が送ったハガキが読まれ、
ラジカセの方へ早急に行って耳を傾ける。

すると、夏美の部屋のドアから
大きく叩く音が聞こえ、ドアの方に目を向ける夏美。

ドアを破って夏美の部屋から
プテラノドンが飛びながらやって来た。



「イヤアァァ〜ッ！！！」



悲鳴をあげながら夏美の部屋で暴れ回
るプテラノドンへの被害を与えないためにも
丸まって頭を抑える夏美。

パリン、と何かが割れる音がして
プテラノドンが鳴く声が無くなって辺りが静まり返った。



「姉ちゃん！何の騒ぎ！？

…………あ！窓が！！」



「えっ？」



窓の方を見てみると、綺麗に窓が割れており、
ガラスが部屋の中に入っていないものの、
一体何故この時代にプテラノドンがいるのだろうか。



〈っはははは！ナッチーさん災難だったね！
じゃ、次のお便り、奥東京市…〉



「また聞き逃しちゃった…」



騒ぎがある中で夏美のハガキが読まれ、
感想を述べる623に夏美は涙を流していた。

デジャヴである。

このようなことをする人物は一人しかいないと思い、
涙目になって夏美は怒りに震えていた。



「こっらぁ！ボケガエルー！！………あれ」



「軍曹居ないの？」



ケロロの部屋に行くも、肝心の本人の姿が
見当たらなく、床にはガンプラが転がっていた。

しかし、目の前に開きっぱなしになっている
冷蔵庫を夏美と冬樹は発見して、中を確かめる。



「ヒイィッ！」



「姉ちゃん！！……わあぁぁぁぁ〜！？」



いきなり冷蔵庫に吸い込まれそうになり、
冬樹は夏美の腕を掴んで助けようとするが、
冬樹も一緒に冷蔵庫に吸い込まれてしまった。



「「わあぁぁぁぁ〜！？！？」」



二人は悲鳴をあげながら、冷蔵庫から
アマゾンのジャングルのような場所へと飛ばされてしまう。



「何よここ…」



「…わぁ……」



景色を眺めていると、二人の近くで
誰かの大きな足音が聞こえてくる。

二人の所には大きな影が出来て、
後ろを向いていた夏美は振り返って上を見る。

そこには、踏まれたらすぐに潰れそうな
大きな恐竜が二人の前に現れたのだった。

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