そして、彼は考えるのをやめました。8

Episode382 ページ40

✿


「ゲロォ…」



「隊長…っ」



疲れから倒れ、ペコポン人スーツも取れる
ケロロにギララもペコポン人スーツを外して
ケロロの元へと駆け寄る。

すると、日向家のドアが開く。



「あっ！軍曹！」



「ボケガエル！」



「ギラちゃん！」



ケロロとギララを探しに行こうとしたのだろうか、
タイミングよくドアが開いて倒れるケロロを見て
冬樹は慌てて駆け寄る。

その際に邪魔だと思ったのかギララはその場を避ける。



「大丈夫？」



「もうとっくにパーティー終わっちゃったわよ？」



「ケロちゃんとギラちゃんの分のケーキ、
取っておいたから」



倒れるケロロにしゃがみながらも、
ギララに視線を移して言う三人。

ギララはペコポン人スーツを片付けつつも、
頷いて「ありがとう」と言うが、
ケロロはどうやらあまり喜ばしくないようだ。



「もうケーキは十分であります…。
今はただ…灯籠のように眠りたいであります」



そう言ったケロロは遂に眠りについてしまった。




「軍曹…？……僕、部屋まで連れて行くね」



「あら、ありがと冬樹」



寝てしまったケロロを抱っこして
地下に行ってケロロの部屋の方まで
連れて行こうとする冬樹に夏美は軽くお礼を言う。



「あ、待ってギラちゃん！」



ペコポン人スーツを畳んでギロロのテント付近に置いて
フライングボートに乗るギララに
秋は呼び止めてリビングの方へ行く。

夏美も何かを思い出してドアを閉めて鍵も閉める。
どうやら庭から渡すつもりだろう。

案の定、秋と夏美が庭から来る。



「はい、ギラちゃん。これケーキとフォーク。
また家に来たときに返せば良いからね！」



「はい、こっちもよ。
チキンとかサンドイッチ入ってるから」



ケーキを入れた小さめの箱にフォークも付けてあり、
袋に入れて渡す秋とタッパーにチキンと
沢山のサンドイッチを詰めて渡す夏美。

どうやらギララの分も考えて
チキンやサンドイッチも取っておいてくれたのだろう。



「ありがとう」



それらを貰ったギララは真顔だが、
以前と比べてちゃんとお礼も言えるようになったのだった。

それを見た夏美と秋は満足そうに笑った。







「よし…」



サブローが西澤タワーの上に登って
紙に雪の結晶を書いて紙飛行機を作って飛ばす。

すると、紙飛行機で飛ばされた所は
雪へと変わって辺りは雪景色へと変わった。



「メリークリスマス！僕からのプレゼント」

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