そして、彼は考えるのをやめました。8

Episode364 ページ22

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二人が取っ組み合いをしていると、
夏美(すもも)に押された夏美はバランスを崩し、
屋根の上に転がって落ちてしまいそうになるが、
何とか夏美が屋根に掴まったお陰で
落ちることはなかった。



「夏美！」



「続けましょ！」



「こらぁー！やめなさーい！」



屋根から落ちそうになっている夏美を
放ったらかしにして、再戦する二人に、
夏美は必死にそれを止めている。



「ククク〜。そろそろお守りの出番だなァ」



「？」



クルルがスピーカー越しで夏美に言うが
夏美は疑問を浮かべているだけ。

すると、夏美が付けられたチョーカーが光り
夏美が着ていた制服の袖の上から取り付けられ、
ブレザーなどが破れ、スク水に変わって
パワードスーツへと変化した。



「すももちゃんだと…！？」



「バレちゃしょうがないわね！
そんじゃとにかく！派手にいくわよ！」



偽物の夏美の正体がすももだとバレてしまい、
開き直ったすももは楽しそうにしながら、
腕に隠し持っていたミサイルをギロロに撃つ。

ギロロはミサイルを避けているが、
住宅街いる者達は危険でしかない。

そのミサイルを避けて出てきたのは、
パワードスーツを着用した夏美の姿だった。



「捕まえたぁ！」



「離してぇ！」



すももを捕まえることが出来て、
庭へと一緒に落ちていく夏美。

庭に勢いよく落ちてしまったせいか、
すももは目をグルグルと回してのびていた。



「ほんとにすももちゃんが…？」


夏美とギロロは気絶しているすももの前に立ち、
夏美は本当にすもも本人なのかと、
巻いてあるバスタオルを取ろうとしていた。



「っ！」



夏美は頬を赤らめて、後ろにいたギロロに気が付く。

ギロロも顔を真っ赤にしているということは、
バスタオルを取ろうとしていた夏美を
見ようとしていたのだろう。



「あっち向いてて」



ギロロの頭を回して後ろを向かせる夏美。



「何か変な気分…。……うわぁっ！！」



夏美がもう一度バスタオルを取ろうとすると、
いきなり辺りは煙に包まれ、
夏美の姿をしたペコポンスーツの中からは
気絶してしまっているすももがいたのだった。



「すももちゃん！」



「すももちゃーん！！死なないでー！！
こんな悲しい結末は台本に無いであります！」



気絶しているすももちゃんを死んだと勘違いしたのか、
ケロロは泣きながらすももの所へ向かい、
甲高い声をあげていた。



「ん…。あ……皆さん…」



「あー、生き返った！」

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