そして、彼は考えるのをやめました。8

Episode359 ページ17

✿


「夏美殿の姿をした地球(ペコポン)人スーツであります！」



「見掛けは夏美だが軍用スーツと同じ性能だぜェ。
クックック〜」



カプセルの中には何故かスク水を着用した
夏美の姿をしたペコポン人スーツ。

着ている服は少しアレだが、見た目は完璧に夏美の姿。
これを使って何をするのだろうか。



〈完璧よ！楽しい収録になりそう…！〉



〈すももちゃんが演じる地球(ペコポン)人少女…。
期待してますよぉ！〉



すもも本人もドッキリする側としてやる気に満ちており、
キョクプロ星人もすももの演技に期待が高まっている。



「ゲロゲロゲロゲロ…今頃ターゲットは何も知らずに
呑気に芋でも焼いていることでありましょう！」

＿＿＿＿＿＿＿＿



「朝は冷えるな…。
地球(ペコポン)はこの季節、ますます寒くなるというが…」



どうやら、ケロロが言っていたターゲットというのは、
ギロロの事であった。

ケロロの言う通り、本当に芋を焼いている。



「3カメおっけぃ！」



「2カメおっけい」



「1カメおっけーでーす！」



モニターにはギロロが芋を焼いている
斜め上から、隣の家から、そして後ろから
ギロロの姿が映り込んでいた。

準備はどれも万全のご様子で、
ドローンからその姿を撮っている。



「了解。ゲロゲロゲロ…。
すももちゃーん！準備は良いー？」



「こちらすもも！スーツも良好！
スタンバイおっけーでーす！」



すももが夏美の格好をしたペコポン人スーツを着用し、
身体を少し動かすが何処も悪いところは無い様子。

ケロロの質問にすももは元気よく返していた。



〈地形シミュレーターシステムオールグリーン。
てゆーか、万事順調？

超空間トンネル先制。
ギロロさんのテントに座標固定おっけーです！〉



〈うむ。……すももちゃん！発信宜しであります！〉



「はーい！」



着陸地点の準備も整ったようなので
ケロロは頷いて右手を大きく挙げて
すももに指示を行った。

すももは返事をして、両手を前に出す。



「すもも、いっきまーす！」



と言って、穴の中に飛び込むすもも。

異空間では進もうとバタ足をし
ギロロのテントに到着するとテントの中では
ピンク色に包まれて光っていた。



「……？何だ…？」



ギロロはテントの違和感に気付き
テントの前に来て少し躊躇いながらも
銃を持って、テントの中を確認した。

そこには、スク水を着た夏美(すもも)が毛布を被って
気持ち良さそうに寝ていたのだった。

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