そして、彼は考えるのをやめました。8

Episode354 ページ12

✿


地下室の廊下まで走って逃げるが、
ドアを突き破ってティラノサウルスは
鳴きながら八人を追っていく。



「あっ！」



「姉ちゃん！」



「〜っ！」



夏美がその場で転げてしまい、
七人が逃げていく中、一人取り残されてしまう。

後ろを向けば既にティラノサウルスが
夏美に迫って来ていた。



「先に行け！」



「っ！ギロロ…」



「ここは…俺に任せろ！」



自分の想い人を守るために、夏美を守ろうとするギロロ。
片手にはロケットランチャーが持ってある。



「これは…映画なんかでよくある
まず最初にやられる奴のパターン！」



「てゆーか、自己犠牲！？」



「走れ！」



恋人を守って最初に死んでしまう、
まさにホラーやアクション映画などで
よくあるフラグである。

ギロロは夏美に指示を出し、
夏美は戸惑いつつもギロロを置いて走る。



［てゆーか、噛ませ犬？］



「のわぁっ！？」



ギロロがティラノサウルスに向けて、
銃口を向けるが、ティラノサウルスはお構いなしに
ギロロを勢いよく踏みつけてしまう。

ロケットランチャーすら撃てなかった
ギロロは踏み潰されて、一時気絶をしていた。



「てゆーか、フラグ回収」



皆が慌てて走っている中、
ギララは踏み潰されてやられたギロロを見て、
真顔で冷静に言い放ったのだった。

恐竜に追われながらも走っていく七人。

すると気絶したかと思われていたギロロは
踏み潰された形跡が残って入るが、
七人と並んで走っていた。



「(はっ！そうだ！)


皆こっちであります！」



「わぁっ！軍曹何処行くの！！」



ケロロに何か作戦が思い付いたのか、
別の場所へ走っていき、一同は戸惑いながらも、
ケロロを追っていった。

＿＿＿＿＿＿＿＿



「へぇ…ひえぇ…ひえ…。てつだって…
これだけは…っ、もってにげないと…くく、っ」



「軍曹…」



［これまた映画における
絶対やられる奴のパターンだよね？］



息切れしながら涙目になってデンドロビウムを
背負って引きずりながらも運ぶケロロ。

そんなケロロを見て夏美と冬樹は
上がっていた口角が引きつっており
ギロロは怒りを通り越して呆れている。

モアは目を開いて特にこれといった反応はせず
タママは呆れたような目で見て
ギララは真顔、クルルは笑うといった
いつも通りの反応であった。



「「うわぁっ！？」」



いきなり地震が来るような揺れに会い
上を見上げると気付かれたのか
ティラノサウルスが顔を出す。

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