そして、彼は考えるのをやめました。7

■Episode340 ページ47

✿


【ドロロ きたれ忍者教室へ であります】

＿＿＿＿＿＿＿＿



［地球に潜伏する宇宙人たちに盆も暮れも正月もない］



「よろしくお願いします！よろしくお願いします！」



商店街では頭を下げてチラシを配っているラビー。

通りすがりの女性にチラシを渡すと
女性はお礼を言ってチラシを見ていた。



「よろしくお願いします！」



「あ…はい」



「お！俺にも…」



ラビーの姿に一目惚れしたのか
頬を赤く染めてチラシを受け取る男性。

隣りにいたもう一人の男性もラビーが配っている
チラシを貰おうとして、自分を指差す。



『今日から君も宇宙探偵！
宇宙の平和を守るのは君だ！

ハートのエンジンに火をつけろ！
ハーッハッハッハ！』



ラビーからチラシを受け取った二人は
どんなことが書かれてあるのか見てみると
556のイラスト付きの探偵事務所の案内であった。



「556の宇宙探偵教室でーす…

貴方方も探偵になって兄と一緒に…
捕まえてみ…ません…か」



ラビーが丁寧に話している中
引き気味の表情でチラシを見る。

そして、男性二人は互いに見つめ合った後
ラビーから貰ったチラシを捨てて
早急に退散したのだった。

男性二人に目の前で捨てられてしまったラビーは
チラシを拾って酷く落ち込んでいた。



「………あら？」



商店街でチラシを配っても誰も受け取ってくれなく、
今日のところは帰ろうとラビーは
大量のチラシを抱えながら下に俯いて歩いていた。

しかし、彼女はある物を見付けた。



「これは…『ドロロ先生の忍者教室』…」



電柱にはドロロが忍者服の
ペコポン人スーツを着用して忍者ポーズを決めている
写真のポスターが大量に貼られてあったのだ。

電柱に貼り紙をする時は許可が必要なのだが
そこは大丈夫なのだろうか。

ドロロが真ん中に映っているポスターを
ラビーは少しだけ口を開いて見ていたのだった。

＿＿＿＿＿＿＿＿




「─というわけで、本日の我々の作戦は
このチラシを使って地球(ペコポン)人共を集めることである」



「へ〜。忍者教室ですかぁ」



やはり、ポスターを作ったのはケロロ小隊であった。

教卓にはケロロが椅子に乗って説明し
左からクルル、タママ、ギロロ、ギララが
並んで座ってケロロの話を聞いていた。

ケロロが今回の作戦を説明してタママは納得しながら
ポテチの袋を開けて一枚ずつ食べていた。



「なるほど。地球(ペコポン)侵略の為の
忍者ってのを作ろうという訳だな」

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