そして、彼は考えるのをやめました。7

Episode319 ページ26

✿


「よっしゃ！
『ビックリ・ドッキリ・シークレットバースデー大作戦』！
だーいせーいこう！！」



「「「バンザーイ！」」」



作戦は見事に大成功して、皆は万歳をして
とても嬉しそうであった。

ギララは真顔で万歳をしていたが。



「タマッ！」



タママはめくりを捲って、
プログラムからバースデーソングに移る。

サブローが咳払いをして指揮棒を持って指揮をする。

サブロー以外の9人は夏美に向けて
バースデーソングを歌ったのだった。



そして、バースデーソングから
夏美へのプレゼント授与式へと移る。

モアは先程見ていた銀色の腕輪を、
桃華は高級なハンカチを。

クルルはCDをプレゼントしたようだが、
『アフロ曹長』という何とも言えないセンスの
プレゼントを渡して夏美は苦笑いをした。


小雪はドロロを持って
ドロロは綺麗な桃色の花束を夏美に渡す。

2人からのプレゼントだろう。
夏美は嬉しそうに2人からのプレゼントを貰う。

タママからは大量のお菓子であり、
夏美は困ったように笑っていた。


サブローは自作のポエム集を、
ケロロからは色々な物が入っている工具。

冬樹は『神に祈りをささげる火星人』と
変わった置物を用意していた。



「…はい」



「ありがとう、ギララ」



シンプルにラッピングしてあるプレゼントを
夏美はお礼を言いながら開けてみる。



「これって…」



「わぁっ…！可愛いシュシュですね！」



夏美へのプレゼントを隣で見ていた小雪は
夏美にくっついてはしゃぎながら言った。

2つのピンクのシュシュであり、
可愛らしい銀色のハートのチェーンが繋がっている。

ギララにしては珍しく可愛らしいデザインの
シュシュをプレゼントしたのだった。



「…誕生日って…わからなくて…思い出せなくて…。

夏美ちゃん、いつも2つ結びだから
本見たらしゅしゅ？を見付けたの」



「……ありがとう、ギララ。すっごく嬉しい」



そう言って微笑んだ夏美に、
ギララは少しだけ小首を傾げていた。



「気持ちさえこもっていれば、
人はどんなプレゼントでも嬉しいでござる」



ギララへのプレゼントを渡し終わって、
その様子を見ていたドロロは目を閉じて
腕を組んで頷きながらそう言った。

そして、プレゼントを渡すのを終えて、
次はバースデーケーキを食べることに。

タママがめくりを捲って尻尾で器用にボタンを押す。


すると、とても特大のサイズのケーキが出てきて
プレートには夏美へのお祝いのメッセージ。

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