Episode283 ページ39
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しかし、それは全てギロロの妄想であった。
「ギロロ」
「そ、それ…は…」
夏美から名前を呼ばれたギロロは、
恥ずかしそうにしながらも、
松ぼっくりのネックレスのことを言おうとする。
「必死に隠すから何かと思ったじゃない。
言っとくけど、これ食べられないわよ」
「………」
「もう何処行ったのー?」
夏美の言葉にギロロは啞然としながらも、
夏美に松ぼっくりのネックレスを返されて、
悲しそうな顔をする。
そんなギロロの姿を見ていない夏美は
猫を探しに別の所へ行ってしまった。
日向家は姉弟揃って鈍感なのである。
「……ギロ…」
ギロロは悲しそうな顔をして松ぼっくりを見ていた。
ギロロが落とした松ぼっくりを猫が拾うが
ギロロは泣きながらテントへと入っていった。
その中ではギロロは不貞寝をしていた。
「……………」
その現場をギララは一部始終見ていたのだった。
何とも切ない恋の場面を。
ギララには理解出来ているのだろうか。
「…………」
しかし、ギララは黙って下を見たあと
すぐにトンボの方へ視線を向けたのだった。
________
そして、時間が経っていき
気付けば辺りは夕方になっていた。
赤トンボも自由に飛んでおり
夕空は青と橙と黄色がグラデーションされて
とても綺麗である。
そんな中、ドロロとサブローはまだ将棋をして
ギララもずっとトンボを眺めていた。
「煮ても食えない女心と松ぼっくり」
ドロロとギララが揃って下を見る。
すると、そこには白い髪の毛に三編みをして
赤いリボンでその髪をとめて
松ぼっくりのネックレスをしており
尻尾があり、兵帽を被っている美少女の姿が。
木に隠れて光るとギロロのテントにいた
猫へと姿が変わっていた。
どうやら、ボクラハミンナイキテイル銃を見付けて
それを使ったのであろう。
玄関から出てきたということは
夏美と冬樹に何か言ってきたのだ。
「あの子猫ちゃん。
もっと言いたい事もあっただろうけどね」
「それ以上の詮索は野暮でござるよ」
「猫も猫なりで…頑張った……と思う」
猫を見ながら言うサブローに
ドロロとギララは冷静に返したのであった。
そして、テントの中では不貞寝をするギロロの後ろで
松ぼっくりを大事そうに抱えて眠る猫。
[煮ても美味しい松茸と麩、食べたいね]
「ゲロ?」
突然ナレーターがそう言って、幕が上がると
そこにはケロロが一人鍋をしていたのだった。
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Irobi(プロフ) - パルリーナさん» ありがとうございます! (2021年8月2日 18時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
パルリーナ(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2021年8月2日 10時) (レス) id: 9bd1696372 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Irobi | 作成日時:2021年8月2日 3時