そして、彼は考えるのをやめました。6 (ページ37)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:13,840 hit

Episode281 ページ37

✿

「クックックー。じゃ、そういうことで」

「軍曹さん！ゲロロ艦長の最新刊！
今日発売ですよぉ！」

「フオォッ！そうでありましたな！
全力で入手するであります！」

解散と言われて自分のラボへ戻るクルルと、
ケロロの元へ行って共に漫画を買おうと誘うタママ。

ドロロとギララもシンクロして立つと、
まだ座っているギロロを見掛ける。

「？ギロロくん」

「っ！出動か！」

「解散でござる」

「活動は無いです」

「そ、そうか…」

話を聞いていなかったギロロは腕を組み、
出動かと勘違いする。

冷静であるドロロとギララに言われて、
ギロロも渋々テントへ戻ることになった。

＿＿＿＿＿＿＿＿

「あ、ギララ。来てたのね」

「うん」

学校から帰ってきた夏美は、
リビングのソファーで座ってボーッとしている
ギララを見掛ける。

「はー…今日の昼ご飯何にしよう…」

溜め息を吐きつつも、このまま料理したら汚れるので、
先に制服から部屋着に着替えようと、
自分の部屋へ向かう夏美。

昼ということは、学校は午前中だったのだろう。

会議も中断されて作戦も実行無しになり、
暇になったギララは窓にいるトンボを見掛ける。

「あれ？ギララ、もう帰るの？」

「…あれ気になったから」

「へ？……あー、トンボかー！」

部屋着に着替え終わり、リビングにやってくると
ギララがソファーから立ち上がる。

帰ると思ったのか、冬樹はギララに声を掛ける。

ギララが窓を指して、冬樹が視線を向けると、
納得したような顔で言った。

「あれ？でも…確か、屋根とかに凄く居た気がするけど…。
試しに行ってきたら良いと思うよ！」

「うん、分かった」

冬樹から良いことを教えられて、
頷いてリビングに張ってある窓を開けて、
屋根に登るために庭にある塀に行くギララ。

すると、そこには松ぼっくりを上げて固まるギロロと、
その姿を見詰める猫を見付けた。

「……にやぁ…」

猫が悲しく鳴きながらギロロを見詰める。

すると、猫は何か決心がついたのか、
日向家の玄関へと行こうと走る。

「………っ」

勢いよく走る猫を素早く避けて、
ギララは玄関に行ってしまった猫を見る。

「……………」

しかし、すぐに視線を直して、

ギロロに話し掛けるような事は一切せずに、
ギララはもう一度固まっているギロロを見た後、
すぐに塀に高く跳んで登ったのだった。