そして、彼は考えるのをやめました。6 (ページ36)

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■Episode280 ページ36

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【ギロロネコは言いたいであります】

＿＿＿＿＿＿＿＿

ある住宅街の真ん中で一匹の子猫が歩いていた。

［さて、皆さん。覚えておいででしょうか。
以前、ギロロ伍長に助けてもらった猫ちゃんです］

猫は日向家に止まり、門が開いているのを見付ける。

しばらく日向家を見詰めていた猫は
可愛らしく鳴いて中へと入っていった。

「にゃぁっ！」

猫が何かを見付けてもう一度鳴く。

猫の視線の先には銃を磨いているギロロ。

すると、いきなり何か落ちた音がして、
ギロロは地面を見る。

そこには物騒に手榴弾が落ちていた。

「(手榴弾か！？) せいっ！」

手榴弾だと思い込んだギロロはその場で飛び上がって、
地面に倒れて頭を片手で守る。

しかし、大きな爆発音が聞こえなく、
ギロロは恐る恐る後ろを振り返る。

ギロロは瞬きをしてもう一度確認すると、
手榴弾ではなく松ぼっくりが落ちていた。

「植物の種子か…驚かしやがる…」

ギロロの目の前には沢山のマツ科の植物があった。

「にゃおん」

「っ！？誰にも言うなよ…？」

「にゃん」

ギロロが猫に人差し指を立てて小声で言うと、
猫は頷いて鳴く。『分かった』と言いたいのだろう。

ギロロは先程拾った松ぼっくりを見る。
そして、ギロロの頬がほんのり赤くなる。

猫は不思議そうに彼を見ていたのだった。

＿＿＿＿＿＿＿＿

「だいたいねぇ！
動物なんかに頼ろうとしたのが間違いなんだよぉ！

誰でありますか！？
アニマルを兵士にしてやろうって言い出したのは！？」

「軍曹さんですぅ」

「うん」

「うっ」

あの後、カラスに攻撃されたケロロは
全身包帯だらけで机を叩いて怒鳴り付ける。

しかし、全ての原因はケロロからだった。

タママがケロロだと答えてギララも頷きながら言うと、
ケロロは図星を突かれて何も言えなくなった。

「こんな銃があるから…っ！……あり？
ボクラハミンナイキテイル銃は？」

「俺たちに聞かれてもなァ」

「ケロロくんが持っていた筈でござるが…」

ドロロに言われるが、ケロロは黙ってしまい、
部屋では少しだけ沈黙が出来る。

そして、ケロロは瞬きをする。

「ちっ…今日はもうやる気起こんねぇよ！解散解散！」

椅子に寝転がって不貞寝モードに入ったケロロは
適当に作戦会議を中断させる。

そんなケロロの姿をギララ以外の4人は
困っているかのように汗を1つ垂らした。