そして、彼は考えるのをやめました。6 (ページ30)

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Episode274 ページ30

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「いやぁ！」

「クククッ…雌だねェ」

そこには、涙目で胸を隠す女の子の姿。

クルルの言うとおり、どうやらケロロが
銃で放たれたパンダは雌であった。

「えっちぃ！何するのよ！うう…ふぇ…っ」

上からやって来たクルルをパンダは引っ掻こうとするが、
見事に交わされてしまう。

パンダは突然の事で混乱しつつも泣いてしまった。

「有能な女性兵士ならば大歓迎であります。
ねぇ！君さ！僕らの仲間にならない？」

「いやぁ！」

「ぐわぁっ！」

ケロロがパンダの方へもう一度駆け寄るが、
パンダに攻撃をされて倒れてしまう。

そんな姿をギロロとタママは
体をケロロの方へ向けて見ており、
ギララは体は傾けずに目だけでケロロを見ていた。

結局、パンダをケロロ小隊に誘うことは出来なかった。

＿＿＿＿＿＿＿＿

「インドゾウの太郎…。
戦前よりこの動物園にいるベテランであります」

「うわぁ！おっきいですぅ！」

次はインドゾウの元へ足を運ぶ6人。

想像を超えるゾウの大きさに、
タママは驚いてそう言う。

戦前ということは、だいぶ高齢なのだろう。

「550…？55メートル…………あ」

「5.5mでござる」

シンプルに計算を間違えているギララに、
ドロロは冷静に訂正を言う。

完全にバカ丸出しである。

しかし、ギララは間違えに呟いたのではなく、
また考えてしまったせいで小さく母音を呟いていた。

「深いシワに刻まれた経験と知識は
きっと我々に勝利をもたらすであります。

近世の先輩ぃ！よろしく…頼むっす！」

次はインドゾウにケロロは
ボクラハミンナイキテイル銃の光線を放つ。

「「おおおっ！！」」

段々と人の体になっていくゾウに、
ケロロとタママは喜ばしい声を上げ、
他4人は無言でその姿を見詰める。

雌ではなく雄のゾウであるが、何処か様子が可笑しい。
何故か座禅をしているのだ。

「おおっ…」

「何という風格…」

先程のパンダとは違う威厳のあるゾウに、
驚きの声しか上げられなかった。

「こんな夜更けに…侵略とは…。
この老いぼれに何用かね？」

「力を貸してほしいであります！」

「力を…？ゲホッゲホッ！」

輝かしい目で訴えるケロロに
ゾウは疑問を浮かべて言うと、いきなり咳き込む。

「だ、大丈夫でありますか！？」

いきなり咳き込んでしまったからか、
ケロロは慌てた様子で心配そうな声でゾウに近寄る。

やはり、高齢だからか体が辛いのだろう。