そして、彼は考えるのをやめました。6 (ページ27)

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Episode271 ページ27

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夏美からの電話報告も来て、無事発見されて
冬樹とモアは揃って万歳をしながら喜んでいた。

そんな姿を心配そうに庭から見る赤い体色のケロン人。

「フン…人騒がせな奴らだ…」

「全くもって同感でござる」

何だかんだ冷たく言っていたギロロとドロロであったが
本当は2人の事を心配していたのであろう。

「クックックックックック…」

そんなリビングの様子をクルルも喜ばしそうに
怪しく笑って見ていた。

＿＿＿＿

「何よ寝ちゃったの？良い気なもんよね。ね、ギララ」

「うん」

「流石プレミア付き…最高のマシンであります」

「呆れた。全然懲りてない…」

ソーサーに乗って寝ているケロロを見て
やれやれとでも言うような口調で喋る夏美。

しかし、ケロロの寝言を聞いて
更に呆れたような顔で言う夏美。

夏美の肩の上では大根を抱えるギララ。

「夏美殿…。お土産が…」

ケロロの寝言で名前を呼ばれた夏美は反応して
ソーサーの後ろにあるさつまいもを目にした。

「お土産って…これのこと？はぁ…。
ほんとにボケガエルなんだから…」

溜め息を吐きながらも夏美は苦笑いしつつも
そんなことを呟いて寝ているケロロを見たのだった。

「ギララもまさか巻き込まれるなんてね…。
大変だったでしょ？」

「……分からない」

「分からないって…」

肩に乗っているギララに話し掛ける夏美だが、
ギララから返された返答に目を開く。

しかし、何となく彼の返答が分かっていたのか
ギララに対して苦笑いしていた。

「…ボクもお土産…」

「大根……。ふふっ、ちょうど今日の夜ご飯に
大根使っちゃったから助かるわ。ありがとう、ギララ」

ギララが持っていた大根を見て
夏美は微笑みながら彼にお礼を言った。

お礼を言われたギララは何故言われたのか
やはりあまり理解が出来ておらず

首を少し傾げていたがかなりの間が経って
「うん」と答えたのだった。

「でも、たまにはアンタもされるがままじゃなくて
少しぐらい反論もしたら良いのに…」

「…隊長や皆が良いなら…ボクはそれで良いの。
何をされても相手が良いならそれで」

「………え？」

ギララの発言に夏美は目を開いて少しだけ体が固まる。

夏美はギララに何か言おうと口を開くが
これ以上何を言ったら良いか分からなくなり
夏美は口を閉じたのだった。

［もし、皆さんも迷子の宇宙人達を見掛けたら…
せめて…話し相手になってあげてくださいね］