そして、彼は考えるのをやめました。6 (ページ14)

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Episode258 ページ14

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「軍曹とギララ、遅いねー…。
もう晩御飯の時間なのに…」

「その内帰ってくるわよ。先に食べちゃいましょ」

夜になっても一向に帰って来る気配が無い
ケロロとギララを心配する冬樹。

夏美はまだ勝手に出て行った事を怒っていて、
大根をすりおろしながらそう言った。

「軍曹、姉ちゃんに怒られたから
帰ってこられないんじゃ…。

軍曹が運転してるし、ギララも帰ってこれないよ…」

「私のせいだって言うの！？」

すると、リビングからは電話が鳴り響く。

冬樹が受話器を取ろうとすると、
夏美がいち早く受話器を取った。

何だかんだ言って夏美も心配なのだろう。

「はい！日向です！………？もしもし？」

〈うっ……ひっ…っうく…〉

「……？」

電話越しでケロロの泣いた声が聞こえ、
夏美は目を開く。

〈あのね…壊れちゃったの…〉

「ボケガエル…」

〈どうしよう……っふ…うっ〉

「ちょっと！今何処にいるの？ギララは無事なの？」

泣きながら言うケロロに夏美は何処に居るのか、
ギララはちゃんと無事で居るのかの確認をする。

「多分…結構遠く…。後、ギララはいる…」

〈ギララも居て良かったけど…遠くってどの辺よ！〉

「……えっとね、山の中…それで道が…」

満天の星空の下で啜り泣くケロロは、
しゃくりを上げながら位置情報を夏美に教えようとする。

しかし、そこで運悪く電話が切れてしまった。

「……っ！切れた…」

「軍曹とギララ、どうかしたの？」

突然切れてしまった電話に驚きつつも、
受話器を眺めて言う夏美に、

隣で聞いていた冬樹もケロロとギララの事を
心配そうな声で言った。

「もしもし！？夏美殿！？
ちょちょ…ちょっと待ってるでありまーす！

………ケロォ！？」

「どうしました？」

公衆電話を使ったせいか、現金不足で電話が切れてしまい、
ケロロは体中お金を探すが見つかったのは1円玉。

「あ、あの…ギララくん…お金……ある？」

「…もうないです」

「は…ぁ…そんなぁ…っ！」

ギララにお金があるか聞くケロロ。

しかし、ギララは少し黙ってお金があるか確認するが、
あの100円玉しかお金が持ってきていないことが発覚して、
ケロロは膝から崩れるように倒れ込んだのだった。

どうやら、燃料漏れが原因らしい。

「ここは…一体何処でありますか…？」

「……分かりません」

静かな田舎にはケロロとギララと
KWR-SPだけが取り残されたのであった。