そして、彼は考えるのをやめました。6 (ページ13)

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Episode257 ページ13

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「夏美殿ぉ！」

「ダメ！」

「はあう…！」

夏美から厳し目に言われたケロロは、
涙目になって、奇声を上げながら、
ギララを連れてエンジン全開で遠くに行ってしまった。

完全にギララはただの巻き込まれである。

「軍曹！ギララ！」

「こらぁ！アンタ達！
帰ってきたら承知しないからねぇ！！」

行ってしまった二人に冬樹は
ケロロとギララの名前を呼ぶが、

ケロロが運転しているため、帰ってくる気配がやはりない。

夏美は怒りながら二人に向けてそう叫んだのだった。

「やっほーう！これですよぉ！これこれぇ！
エーテル式では味わえない、反重力のダイレクトな浮遊感！」

「…分からない」

興奮気味で話しながら言うケロロに、
ギララは彼の言っている事が
理解出来ていないのか、小さく呟く。

KWR-SPから出ているエンジンの煙からは、
ケロロとギララを器用に描いていたのだった。

「最高であります！なぁ、ギララ！」

「はい」

ケロロは楽しさに浸りながらも、
ギララにも同じ気持ちを味わせるために言うが、

ギララもケロロの言葉に相槌はしてくれているが、
表情が真顔のせいでもあり、楽しそうに見えなかった。

そして、2人は紅葉に囲まれた山へと来る。

「いやぁ！快調！快調！おっ…。
ほほぅ…野菜の無人販売所でありますか」

「…どれも100円…か」

「これは美味そうでありますなぁ！」

さつまいもを手に取るケロロに、
ギララもその場で降りて大根を手に取る。

「どれ、ご機嫌斜めの夏美殿に1つお土産でも…。
きっと喜ぶであります！

お、ギララはママ殿にでもあげるでありますか？」

「……分かりません。一応お土産に」

「あり」

見事に予想が外れて一粒汗をかくケロロ。

ギララがもう一度後部座席に乗ったのを確認して、
ギララから100円玉を貰ったケロロは、
自分の100円玉も取り出して、箱の中に200円入れた。

そして、あっという間に夕日が出てきて、
その中2人は空中で散歩をしていた。

「はぁ…こうしていると…
何もかもがちっぽけに思えてくるであります」

「…こう言うのって…きれい…？」

「んねー！買ってよかったー！」

「ギラ」

とても美しい夕焼けを見るケロロとギララ。

ギララが疑問を浮かべながら言うと、
ケロロは元気に返してくれる。

そして、KWR-SPを買えたことにケロロは後悔が無いらしく、
ギララも相槌を打つかのように一声鳴いたのだった。