そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ44)

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Episode239 ページ44

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「うわぁっ！！」

「………？」

窓の方からのタルルの声に冬樹は反応して、
庭を見てみるとタルルが窓に張り付いて
冬樹達を見ていた。

そんなタルルに冬樹は困惑した声を上げた。

「な、何なの？」

「コイツらだー！」

「たっ、タタタタタルルぅ…！」

夏美もタルルの存在に気付いてか、
困惑したような顔で上がり込んでくるタルルを見る。

後に続いてタママも慌てたようにタママを呼んだ。

「師匠！コイツらっすよねー！
凶暴肉弾生物(きょうぼうにくだんせいぶつ)夏美！」

「凶暴…」

「泳げない、走れない、情けないと三拍子揃った
運動神経ゼロ人間の冬樹！」

「確かに…僕…泳げないけど…」

タルルに言われた夏美と冬樹は
ショックを受けたような顔をする。

勿論、タママは慌てて2人に弁解していく。

「凶暴って言っても悪い人に対してって意味で！
それに！運動出来るかどうかだけで人間の価値は…！
あっはっはっはっははは…」

「でもコイツら…牢獄行きのところを
タママ師匠に救われたって聞いたのに…
ちっとも感謝の気持ちが無いっすねー。

こらー！タママ師匠に対して敬礼はどしたー？」

そのような事までタルルに言っていたタママ。

タルルの回想では
ケロロ父が来るときの服装で、
マントを羽織ったタママに平伏している姿が。

2人の顔は見えなくなり、
一体どのような表情をしているのか不明だった。

「それよりタルル…」

「はっ！そうっすよねー！

秘密基地を見学するのに
こんな奴らの相手してる場合じゃないっす！」

そう言ったタルルは、リビングから出ていって
秘密基地へ走って行く。

そして、リビングでは顔が見えない夏美と冬樹と
タママだけが残ってしまった。

「あっ…。あのー…」

タママが夏美の方へ行くと
表情は見えないが、夏美はクッションを握り締め
額には2個の青筋が浮かび上がる。

「そのー…」

次にタママが冬樹の所へ行くと
冬樹はとても暗い表情をしていた。

「あ、らあ、あっ！後でフォローしに来るですぅ！」

タルルを追うために、タママはリビングを
颯爽と出ていってしまった。

＿＿＿＿＿＿＿＿

「うっひゃー！！凄いっす！
ここが噂の秘密基地っすかー！」

「ま、まあな…。

(とりあえず、さっさと見学させて
早めに追い返すしか無いですぅ…)」

秘密基地といえば、ケロロ小隊もいるので
また何かタルルが言ったら、タママの命も危ないだろう。